断言します。ジェシカ・ハーパーの代表作は「サスペリア」でも「ファントム・オブ・パラダイス」でもありません。
間違いなく本作です。
「ショック・トリートメント」
(1981年/ジム・シャーマン監督)
世間的には“なかった”事にされている「ロッキー・ホラー・ショー」の続編、と言うか姉妹編。
確かに脚本はいい加減。テレビに支配された町という設定がオールド・ファッションだし、権力者によって作られた歌姫という主題は「ファン・パラ」丸被りです。
リチャード・オブライエンの楽曲は皆ナイスですが、「ロッキー~」の“タイム・ワープ”のようなキラー・チューンがありません。
一番の致命傷はティム・カーリーがいない事。
ジョン・ベルーシがいない「ブルース・ブラザース2000」の味気なさを思い出します。
でもね、んな事ぁどーだっていいんですよ。
「サスペリア」「ファン・パラ」では終始辛気臭ぁい表情だったジェシカ・ハーパーが、ミニのドレスをとっかえひっかえしながら歌って踊る・・それだけで十分じゃないですか。
作品としての出来はともかく、ジェシカ・ハーパーという女優の魅力を引き出しているという点で本作は価値ある一本。
名画座最強の二本立て(ダブル・フィーチャー)と言われた「ロッキー・ホラー・ショー」と「ファントム・オブ・パラダイス」。後者の主役が前者の続編の主役を張るってのも何かの奇縁。
DVDの特典は予告編のみ。音声解説が欲しかったなぁ・・。