ぬ、抜いたのか?今?本当に?
巻き戻してコマ送り・・抜いている。抜いたと同時に斬り、斬ったと同時に鞘に収めている。
流石、元公儀介錯人、いや恐るべし、若山富三郎。
「子連れ狼/子を貸し腕貸しつかまつる」
(1972年/三隅研次監督)
公儀介錯人・拝一刀(若山富三郎)が、裏柳生総帥・烈堂(伊藤雄之助←ほとんどプロフェッサー・ギル)の策謀に嵌り、家を失い妻を殺され、刺客として生きる決意をするシリーズ1作目。
『大五郎、己の道は己で選ぶがいい。
この胴太貫を選ばば、父と共に刺客道へ。
この手まりを選ばば、亡き母のいる黄泉の国に送ってやる。
大五郎、無論、お前には何も分かるまい。
父の言葉も、これから起きる事も。
しかし、お前の五体に流れている拝一族の血が、
それを決めてくれよう。
さあ、選べ!』
そろばんやお米、お金を並べて子供に選ばせる(どれをとっても目出度いオチがある)儀式はありますが、刀と毬ってのは日本広しと言えど拝家だけでしょう。
しかも、毬を選べばあの世行き、刀を選べば冥府魔道。人生最初の選択が地獄の両面待ちとはハード過ぎるぞ大五郎!
果たして、幼子が這って伸ばした手の先には、鈍く輝く名刀・胴太貫が。
ここからは殺陣が冴え渡る殺戮絵巻。柳生の使者を、ご公儀の役人を、柳生の刺客を、斬って斬って斬りまくる。
重量級の人斬り包丁、胴太貫をぶん回して、華麗などという美辞麗句が裸足で逃げ出す人間解体鮮血祭り(でも何故か全然残酷じゃない)。
拝と若山ってシルエットのイメージが重ならなかったのですが、この殺陣観たら、もう。
萬屋には申し訳ないですが、拝はトミーで決まりです。