やはり初めて演出したシリーズには愛着があるのでしょうか。
前作で「仕置人」系音楽を鳴り響かせた工藤栄一に対して深作欣二は「仕掛人」系音楽をかき鳴らします。
「必殺４／恨みはらします」（1987年／深作欣二監督）
工藤監督がハードボイルドなら、深作監督はマカロニ・エンターテイメント。
千葉真一、真田広之、JACの面々を大量投入して、派手派手な娯楽活劇を構築。
旗本愚連隊のおけら長屋襲撃シーンは、柳生の里殲滅シーンと丸被り。
まるで深作映画に必殺が間借りしているようです（故に生粋の必殺ファンは“何か違うんじゃねえか”と思うかもしれません）。
最大の見せ場が廃屋を縦横無尽に疾駆する千葉真一対蟹江敬三のタイマンバトル（まあ蟹江さんは吹き替えだと思いますが）で、クライマックスの藤田まこと対真田広之がこれを超えられなかった、というのは痛し痒し。
個人的イチオシは千葉真一（独楽使いの殺し屋わらべや文七）の養女・おみつ役の相楽ハル子。スケバン刑事と同時期で少女から女へ変わる“美味しい”時期を切り取っています。
出番一瞬ですが、小林ひとみの使い方は完璧。
かとうかずこもまだこの頃は可愛かったですねぇ・・（遠い眼）。
