デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

別木庄左衛門の死に口上に痺れる。 柳生一族の陰謀

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『不肖、別木庄左衛門、開城の義に不服有り。只今限り主従の縁を返上仕る。不埒とおもし召さらば殿直々にお出ましあって某が首をとり候え!』

『槍持てい!ええい分からんのか、庄左はわしに取り掛かって死にたいのだ、そこどけぇ!』

『お出ましなければ是非も無し。某が冥土への死に働き、ようっくご覧召され。寄せ手の方々に物申す。只今お聞きの通り、これよりは別木が只独りの戦い故お間違い召さるな。これよりは手前方を打ち破り、家光公の御印を頂戴に参る。お連れの方なりと存分に打ちかかり、この首とって己が武門の誉れとなされい!』

なんてかっちょいい死に口上でしょう。夏八木勲、儲け役です。

 

柳生一族の陰謀

(1978年/深作欣二監督)


昔は正月と言えば大抵オンエアされておりましたが、最近トンと見かけなくなりました。

深作欣二はこれ1本で空前の時代劇ブームを作り、続く「赤穂城断絶」で時代劇ブームの幕を引きました(笑)。

改めて観るとホントいい役者が揃ってますねえ。

『臆したか!? 柳生新陰流!』


鳥丸少将文麿役の成田三樹夫。白塗りで麿言葉、でも達人。

柳生茜役の志穂美悦子。こんな馬上栄えのする女優、もはや日本に存在しません。

ハヤテ役の真田広之。若い時は妙にブサイクですがアクションのキレは抜群。

只一人、大仰な時代劇芝居にこだわった萬屋錦之介の演技が、単なる軍団抗争アクション時代劇をカルトにまで押し上げています。