無宿人狩りの発布とその検挙風景に合わせてのタイトル・クレジット。
まんま「大殺陣」で、セルフリメイクかと思わせるオープニングですが、残念ながら「大殺人」にあったカミソリのような緊張感は皆無。
「影の軍団 服部半蔵」(1980年/工藤栄一監督)
上(かみ)の半蔵、下(しも)の半蔵というダブル半蔵制、アメフトのプロテクターを模した忍者スーツとフォーメーションによるタックル戦など実験的試みが多数見受けられるのですが、全部見事に空振り。
三代将軍・家光の死後、政権維持を画策する筆頭老中・松平伊豆守(成田三樹夫)。
伊豆守は水戸光圀(金子信夫←まんま山守組長)を抱き込み、甲賀忍者・四郎兵衛(緒方拳)を放って暗躍。
伊賀の残党で盗賊の首領である下の半蔵(渡瀬恒彦)も配下に収めようとするも失敗。
そして世継・家綱の補佐役となった会津藩主・保科正之(山村聡)の前には、服部家再興を望む上の半蔵(西郷輝彦)の姿が。
設定だけ見ると偉く面白そうなのですが・・。
特に全身黒の石膏塗料で固めた(身動きとれねぇだろ)緒方拳の異様ないでたちは存在感抜群ですし(写真上)、特撮研究所の矢島信夫が手がけた“櫓崩し”は見ごたえ満点なのですが、演出が冗長と言うか生ぬるくて(133分は長過ぎだわ)。
という訳で本作の最大の見所は、
“森下愛子のおっぱいが拝める”
という一点に尽きます。
緒方拳の娘で甲賀くノ一という似合わないにも程がある役柄なのですが、渡瀬に姦られちゃう際に見せる裸体は華奢な外見とは裏腹に結構ゴージャス。
陶磁器のような(もしくは水死体のような)白い肌は二礼二拍手一礼の価値があります(「サード」とか「十代・恵子の場合」とか「もっとしなやかに もっとしたたかに」があるじゃん、という突っ込みは無しよ)。
※参考:「犬死の美学/野良犬の矜持。 大殺陣」→2011年2月1日