高校時代(映研でした)、宣伝用に配給会社から分けてもらったポスターの中に一種異様なデザインのものが。
白地に荒れたドットのガサガサしたシルエットはどう見てもホラー。しかも、タイトルが、
(1973年/エンツォ・G・カステラッリ監督)
一体、どんな映画なんだ!
答えは、情け無用のマカロニ・ポリス・アクションでした。
マルセイユとジェノバを結ぶ麻薬ルート壊滅に奔走する熱血警部ペルリ(フランコ・ネロ)。
シンジケートの運び人を壮絶なカー・チェイスの末逮捕するも、組織の手によってパトカーもろとも爆殺・口封じ。
当時ハリウッドでブームだったポリス・アクションを丸パクリしているのは一目瞭然ですが、そこはイタリア。マカロニ魂をたっぷり注入しています。
旧シンジケートのボス、カフィエロ(フェルナンド・レイ)は、表向き引退していますが未だ隠然たる権力者。彼の商流奪取を狙う新組織が台頭して仁義なき戦いスタート。
新組織は、ペルリが買収に応じないと知るや、恋人タコ殴り! 愛娘轢殺!
情け容赦の無いカステラッリ演出にフランコ・ネロも燃え滾る血気で応戦。
容疑者は後ろから射殺、下から射殺。歯向かう相手は蜂の巣に・・って、イタリアの警察はサブ・マシンガン標準装備なのか?
無残に轢き殺されるネロの娘を演じているのは監督の愛娘ステファニア・ギラローミ。本作の他にもカステラッリ監督作品に何本か出演していますが、常に酷い目(レイプされたり)に遭っているそうです。
監督が実の娘を作品中で苛めると言えば、ダリオ&アーシア・アルジェント親娘を思い出しますが、この屈折した親子愛はイタリア人監督のお家芸なのでしょうか。