デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

イタリアン・ルール炸裂。 猛獣大脱走

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無駄にムーディなサックスの音に乗って、栄えているとは言い難い北ヨーロッパの小都市を舐めるように映すカメラ。

下水は排液で溢れ、地下道には麻薬に使ったと思しき注射器が散乱。

そして本当に、本当にとってつけたような文明批判のテロップ。「さあこれで大義は出来た、責任転嫁も終了だ!」という製作者の声が聞こえてきそうです。

「猛獣大脱走(1983年/フランコ・E・プロスペリ監督)

写真2枚目は監督のクレジット・シーン。自分の名前をこういうカットに被せる奴は信用できます。

お話は簡単。飲料水に流れ込んだ麻薬物質が原因で街中の動物が大暴れ。

動物園では象がぶち破ったレンガ壁が電線ぶった斬って電気制御の檻が全開。猛獣放し飼いで大騒ぎ。

下水道から湧き出たどぶ鼠の大群がカップル食い散らかして前菜終了(滅びの笛だ!)。

盲導犬が盲人襲うのは「サスペリア」から続くイタリアの伝統芸。

飛行場に象、地下鉄に虎、学校に白熊、ええっとあなた達今までどこにいたんですか?な数の水牛が道路全力疾走。猛獣だんじり

「象がぁ!」「虎がぁ!」と驚いたドライバーがあっち突っ込みこっち突っ込みして火の車。

終いにゃ水飲んだ子供たちも景気良く狂って「ザ・チャイルド」な大人狩り

素晴らしい!!

頭に文明批判入れたから何やっても許されるよね?なイタリアン・ルール。

動物愛護って何?なカットが山ほどあるのも時代って奴でしょうか?

ご家族揃ってお楽しみください。