
ネタ的に誉めてあげたいのは山々なのですが、アイデア全部ドブに捨ててます。惜しい。
「サバイバル・フィールド」(2009年/ダニエル・ベンマヨール監督)
広大な森林で行われるサバイバル・ゲーム。参加者は各国から集まった“その道の猛者”(銃器オタクとか軍事オタクとか戦争マニアとか)。
2チームに分かれてペイント弾を撃ち合い、地図に指定されたポイントにあるフラッグ(とご褒美グッズ)を集める戦争ごっこです。
最初の戦闘で相手チームがスモーク弾を。おいおい、武器の持ち込み有りなんて話は聞いてないぞ。と思う間も無く仲間の一人が蜂の巣に。実弾だ!
というアイデアは、多分今まで1億人くらいが思いついているでしょう。問題は展開。
メンバーの個性(特技)、主催者の目的とハンターの正体、反撃の仕方など面白くする要素はいくらでもあったと思うのですが、どれもこれも“うーむ”。
メンバーが没個性なのはリアルかもしれませんが映画としてはちょっと。
サーマル・ゴーグルをつけたハンターの“熱感知目線”はまんま「プレデター」。
金持ち相手の見世物としての殺し合いって設定は飽きました(「ホステル」で打ち止め)。
ゴアなシーンを全部ハンターの熱感知目線(要するにネガポジ反転したモノクロ画像)で処理しているのはレート対策かも知れませんが、衝撃度ゼロ。
ポイントにフラッグとセットで置いてあるご褒美グッズを全部集めると武器になる(リボルバー・ランチャーになる)というアイデアはゲーム版「バイオハザード」丸パクリですが、結局使えず仕舞い。
硫酸弾も「え、それだけ?まだ残ってんだから罠とか作れよ」な勿体無さ。
「死霊のはらわた」チックなラストは“ああ、もう考えるの面倒くさくなったから思わせぶりなカットで終わらせちゃえ”なやっつけ感満点で脱力度MAX。
1回でいい。脚本書いたら読み返せ。で、ついでなので以下余談。
本作の原題は「PAINTBALL」。ゲームの名前であり、使用する着色弾の名前ですが、日本のコンビニにも「ペイントボール」というものがあります(カラーボールとも言います)。
写真最下部の奴がそれ。何に使うかと言うと強盗とかが来た時に投げつけるのね。大事なのは犯人に直接ぶつけずに足元に叩きつける事。
直接ぶつけると「痛!」で終わってしまいます(笑)。
足元のコンクリやアスファルトにぶつけると玉が割れて中の特殊塗料が飛び散って犯人の衣服に付着する仕掛け(洗っても落ちにくく、特殊な光を当てると蛍光色が浮かび上がる)。
牛丼の松屋でもレジ横に置いていました。一度使ってみたくないですか?