デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

実は見所満載。 チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル

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『エンジェルはダイヤよ。作れないから探すの』

公開時の印象は「なんじゃ、この支離滅裂な話は」だったのですが、今回改めて「1」「2」連続で観ましたら、妙な幸福感に包まれてしまいました。

この監督にドラマ演出の才が無いのは後に「ターミネーター4」で証明されますが、本作に関してはこれで正解。

チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル」
(2003年/マックG監督)

お話は…どうでもいいです(突っ込み始めたら全編北斗百烈拳)。

途切れる事無く連射されるパロディとリスペクトと小ネタの数々にノーガードで身を任せましょう。

元ネタは探さなくても見つかる作りになっているので、敢えて触れませんが、私のお気に入りはサウンド・オブ・ブルース・ブラザース

ご丁寧にマザー役(修道孤児院院長)にキャリー・フィッシャーを配する念の入れよう(今回、エンド・クレジットで初めて気づきましたが、言われても分かりません。老けちゃったなあ、レイア)。

シーンの終わりにはシスター・コスプレの3人がサングラスをかけているという「まさか、まだ気がついてない奴いないよな?」なダメ押し演出。

音楽の使い方も前作同様コテコテベタベタ。

溶接のシーンだから「フラッシュ・ダンス」ではなく、What a Feelingを使いたいから無理やり溶接工のコスプレをするという本末転倒さが堪りません。

ドリューのTシャツが、AC/DC→Judas Priest→英国旗と変わりますが、デートの音楽はBon Joviなんて所もまた…。

ミザルーは色々な映画で使われていますが、きちんとサーフィンのシーンで使用しているのは本作くらいではないでしようか。

デザート・イーグル50AEという文字通り“手に余る”大型拳銃をダブルで撃ちまくる全身整形美女デミ・ムーアは流石の迫力。

ジャクリン・スミスをケリー役で、しかもドリューの守護天使のような扱いで出すとは、オールド・ファンへの目配せも完璧(冒頭の台詞は悩めるドリューに道を示す幻想のケリーが発したもの)。

前作でルーシーと色々あった…だけじゃなくて監督とも色々あった(らしい)ビル・マーレイが降板(養母の家の額縁写真で登場)したのは残念ですが、実は世評に反して見所満載な怪作なのではないかと。

ドリュー、オープニングでローラーゲームやってますね。この頃既に初監督作の構想があったのでしょうか。