デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

おかえりカージー、おかえりペイジ。 ロサンゼルス

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『神様を信じるか?』
『…ああ』
『会わせてやろう』


シリーズ全ての邦題に関連性のない(どんだけ弱気なんだよ配給会社)「DEATH WISH」シリーズ第2弾(「狼よさらば」の8年ぶりの続編)です。

「ロサンゼルス」(1982年/マイケル・ウィナー監督)

妻を殺され、娘を廃人同様にされ、自警市民として街のチンピラを無差別退治した建築技師ポール・カージーチャールズ・ブロンソン)。

ニューヨークからロサンゼルスに居を移しましたが、やはり治安は悪かった。

人殺しの葛藤は前作で済ませたので、もはやカージーに迷い無し。家政婦殺され、娘殺されたカージーはピストル片手に人間狩り。

前作と違うのは、不特定多数のチンピラではなく、明確&正確に犯人をサーチ&デストロイしていく所。

バイオレンスは割増されましたが、演出が冗長。ついでにブロンソンも60越えでアクションにキレがなく、ちいっと残念な出来ではあるのですが、ここはポール・カージーの帰還と健在を素直に喜びましょう。

本作のもうひとつのウリはサントラ。

担当は、ボンゾの死→ZEP解散→恐らく鬱&薬&酒だったジミー・ペイジ

レコード会社もここぞとばかりにジミー・ペイジのソロ名義で本作を喧伝。いやがうえにもリスナーは期待度MAX。しかし、これはサントラ。伴音。背景音。ZEPファンの渇望に応えられるものではありません。

オープニングの「殺ったのは誰だ(Who's to Blame)」インスト・パートなんか結構“いい感じ”だと思うのですが、認識(期待)と実態のズレが本作に駄目アルバムの烙印を押してしまいました。

チラっと各曲を聴いてみたい方はこちらへ→http://www.amazon.com/Death-Wish-II-Original-Soundtrack/dp/B0000088FI

楽曲の評価はさておき、一旦は表舞台から姿を消したペイジがシーンに復帰する契機となったアルバムです。噛み締めて聴きましょう。

※参考:「狼よさらば」→2008年1月29日
    「世紀末救世主伝説。スーパー・マグナム」
     →2011年4月28日