デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

秘技“負けながら勝つ”。 バトルクリーク・ブロー

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師父ブルース・リーは「燃えよドラゴン」で、“戦わずして勝つ”という奥義(?)を披露してくれましたが、ジャッキーは更にテクニカル。

マフィア3人を相手に“負けながら勝つ”。正に秘技。

「バトルクリーク・ブロー」

(1980年/ロバート・クローズ監督)


1930年代のシカゴ。父の経営するレストランに“みかじめ”の取立てに来たマフィアに息子ジェリー(ジャッキー)が「待てやコラ」。

しかし、“喧嘩はしない”という父との約束の手前、こちらから手は出せません。

そこで、相手の攻撃を受け流し、やられているように見せながら(偶然を装って)相手にダメージを与えるという高等技術(?)を駆使。

ジェリーの格闘センスに目をつけたマフィアが兄嫁を人質に格闘大会への出場を強要、ってのがお話の骨子なのですが・・。

「燃えドラ」監督の演出とは思えないユルユルグダグダ。ジャッキーは頑張っているのですが、受ける相手がことごとく素人なので、完全に1人芝居、シャドーボクシング、柳に風、暖簾に腕押し、糠に釘。

特訓で使っていた木人拳もどきの方がよっぽど反撃していました。

脚本は多分誰がリライトしても良くはならないでしょう。

喧嘩はしない、店を守る、人質を救出する、格闘大会に出る、というシチュエーションは一応あれやこれやのオマージュなのでしょうが、コメディ色が強いので緊張感というものが・・。



せめて、カット割りと編集がマシで格闘技出来る役者が1人でもいれば(もしくは「ストリート・ファイター」のような男のドラマが演出されていれば)、もう少し凄みのある作品になって、ジャッキーのアメリカ進出も成功していたかもしれません。残念。

ラロ・シフリンの音楽のみ、凄く“いい感じ”でした。