リアルに存在する他人を自分のアバターとして操作する戦争ゲーム。
アバター(ゲーム内での呼称はスレイヤー)は、死刑確定の犯罪者。30回連続で生還すれば自由の身に…。
どこかで聞いた様な設定です。「バトル・ランナー」とリメイク版「デスレース」を足して「アバター」と「サロゲート」で割って、ちょこっと「マトリックス」…。
予告が良さげだったので、(音楽1,000点、内容2点な「アヴァロン」の反動もあって)ちいっと期待していたのですが、見事に玉砕。
映像に凝るのも結構ですが、その前に脚本と演出を学びなさい。
「GAMER/ゲーマー」
(2009年/ネヴェルダイン&テイラー監督)
ケーブル(ジェラルド・バトラー)は死刑囚(当然、冤罪)。実戦サヴァイバル・ゲーム“スレイヤー”27回勝ち抜きの英雄。
彼を操作するプレイヤー、サイモン(ローガン・ラーマン)は17歳の天才ゲーマー。
スレイヤーを含む仮想空間“ソサエティ”を開発したケン・キャッスル(マイケル・C・ホール)に、ソサエティの危険性を訴える地下組織のリーダー、ブラザー(クリス・ブリッジス)、あとケーブルの奥さんと引き離された娘、TV局の野心家女司会者・・あたりが登場人物なのですが・・。
天晴れな程にキャラが立っていません。バックボーンも行動原理も無し。ただ、そういう役割の人という記号でしかありません。
いくらアクション・シーンが凄くてもこれでは・・。
ソサエティのリアリズムが「サロゲート」以下ってのも痛い。
自分を模した擬体によるプレイヤーの戦争疑似体験というモチーフは、昭和49年に永井豪が「真夜中の戦士」で極めている(しかも僅か10頁程度で)ので、今更こんなもの観せられても「なんだかなぁ」という感想しか出てきません。
ジェラルド・バトラー(「300」)ってラッセル・クロウとキャラ被っていませんか。設定とかまんま「グラディエーター」だし(どこまでもバッタモンだなあ)。
★ご参考