拉致られて 気づけば深い 森の中
マスク男と 刺しつ刺されつ
いきなり一首詠んでしまいましたが、まあ、そんな感じのオーストラリアン・ホラーです。
「フューリーズ 復讐の女神」
(2019年/トニー・ダキーノ監督)
何者かに拉致られたケイラは箱詰めにされて広がりたい放題広がる森の中に(箱にはBEAUTY 06の文字)。
森の中にはケイラと同じく拉致られてきた女性が何人も。
そして不気味なマスクをつけ武器(斧、鉈、鎌など農工具系)を持ったハンター、BEASTが獲物を求めてうーろうろ。
何者かによって仕組まれた人間狩りゲームというのは手垢のついた題材ですが、裏で当人の知らないところで獲物とハンターがペアになっている、というのが新機軸と言えば新機軸。
女が狩られるとペアになっている男の頭がボン!(どんな改造手術されてんだ?)
男が死んでもペアの女は無傷。つまり、女は無条件に回り全員ぶち転がしてしまえば生き残れますが、男は自分の相方を見極め守りつつ、男も女も狩らねばならんと言う高ハードル設定なのです。
「バトルロワイアルⅡ」の変形といった感じですね(全然新機軸じゃねぇな…)。
この法則に気づいた女は当然考えます。
え、何ちょっと待って。じゃ、あんな武器持ったマスク男倒さなくても、女ひとり殺せば自動的に男もひとり排除できるって事? 絶対そっちの方が楽じゃん。
But we're easier to kill then, than one of them? Right?
かくして男女総当たりバトルロワイアルの幕が…。
と書くとかなり面白そうに聞こえますが、足引っ張る要素が多くて正直、出来は微妙。
主役のケイラがウジウジしている上に突発性意識障害持ち(一定時間置きにアパシーがやってきて身動きがとれなくなる)って使えないにも程があるだろ。
ゲームの縛りとしては有効かもしれませんが、観ている方にはストレスです。
意識障害発生中は千里眼的能力が開花して離れた所の映像が見えるという特典付きではありますが、あまり得した気分にはなりません。
視点がケイラ側に固定されているので男側の事情(同じように拉致されてきたのか、高額賞金とか殺人の悦楽とかに釣られて応募してきたのか、とか)が全く分からないというのも興味の幅を狭めています。
あと、その他の女もイラつく系多し。特にケイラが助けるローズとか完全に厄ネタだし。
特殊効果とかは結構頑張っていたので、残念。
ネタ的には今月公開の「ザ・ハント」と被るところ大ですが、「ザ・ハント」の方が数段面白そうな気がします。
※本作は2020年1月開催の<未体験ゾーンの映画たち2020>にて上映されました。
★ご参考①
★ご参考②
※因みに本日11月13日はソビエト連邦でアサルトライフル「AK-47カラシニコフ」が開発された日です(1947年)。
★本日11月13日はジェラルド・バトラー(1969~)の誕生日(おめでとうございます!)
ラッセル・クロウのバッタもんというイメージが強くあれこれ観ている割には今ひとつ印象の薄い損な人。
当たらなかったり外したり掠ったりの作品を幾つか挙げておきます。