
本来なら、それだけでゴハン3杯はいけるはずなのですが…。
どうした御大?! 何故、脚本を他人任せにした? どうしてヘッポコピーなシンセを奏でない?
破綻ギリギリの自分勝手さをどこに封印した? 綺麗にまとまりすぎじゃないか。
1966年のアメリカ。放火した農家の前で茫然自失している所を保護されたクリステン(アンバー・ハード)。
連れてこられたのはリゾート・ホテルのような佇まいの巨大精神病院。
監禁病棟(WARD)には、クリステン含め訳有り風な少女が5名。やがて病院内を徘徊する6人目の存在が・・。
病院という舞台設定は、雰囲気が出る反面、動きに制約があるので、展開が難しい厄介物件(大失敗例が「ブギーマン/ハロウィンⅡ」)。
89分というタイトなまとめは大正解ですが、それでも“薄い”感は否めません。
精神病患者に対する治療写真(電パチとか電パチとか、あと電パチとか)をコラージュしたオープニングは美しい音楽と相まってやたらお洒落。
ヘッポコシンセに乗って黒味に白文字という“いつもの奴”を期待していたのでやや拍子抜け(ちょっと優等生過ぎないか、カーペンター)。
オチはそれなりに捻ってはいますが、既に先達がある(ジョン・キューザックが出てた奴ね)ので、新鮮味も今ひとつ。
とにかくホラーなんだからラストに一発かまそうという心意気は完全に蛇足。もっと何気ない描写(消えたはずの●●が一緒に車に乗るとかさ)でぞわっとさせる事も出来たと思うのですが…。
今回は完全に60分のテレビサイズネタでしたねえ。シネスコの画角も活かしきっているとは思えませんでしたし。
とは言え、カーペンターがまだ現役である事を証明する程度のレベルはキープしています。ここは一番、次への期待を込めて、座して見守る事にいたしましょう。