『人間は完璧ではない。しかし、正しい生き方がある』
捜査線と言えば、「野獣捜査線」(チャック・ノリス大暴走)や「炎の大捜査線」(脚本大破綻)など、常軌を逸した暴れはっちゃくなイメージがあります。
“復讐”でメル・ギブと来れば、当然“歳はとってもリーサル・ウェポン”な内容を期待しますが、これが何と、もうひとつの「チェーン・リアクション」でした。
「復讐捜査線」
(2010年/マーティン・キャンベル監督)
ボストン警察殺人課のトーマス・クレイブン(メル・ギブソン)に凶弾が。しかし弾は運悪く久々里帰り中の一人娘エマを誤爆。
襲われる理由に思い当たらないクレイブンは独自に捜査を開始。
エマの引き出しの中からオートマチック・ハンドガンを発見。カバンの中からはガイガーカウンター。スイッチを入れると激しく反応。
反応元はクレイブンの胸ポケット。中にはエマの遺髪。娘は被爆していたのか?
ここからお話は核処理施設を巡る国家的陰謀に。
娘は何をしようとしていたのか。あの時、本当に狙われたのは自分だったのか…。
クレイブンの周りに出没する“正直者を求めて彷徨う”隠蔽のプロ、ダリウス(レイ・ウィンストン)の存在が、復讐という一本調子なベクトルを右に左に蛇行させ、話に厚みを与えています。
『俺たちは生き、思ったより早く死ぬ』
3.11。あれから1年。現実にはクレイブンもダリウスも存在しません。何ひとつ解決する事無く迎えたこの日に索漠とした空しさを覚えるのは私ひとりではないでしょう。
『この世に真実なんか存在しない。あるのは真実に見せかけた嘘だけだ』
あの「ポストマン・ブルース」な“悲劇のハッピーエンド”は元ネタのTVシリーズ(未見)にもあったのでしょうか(だとしたらサブ監督の方がパクリって事になりますが…)。
※ご参考