(1966年/岡本喜八監督)
クライテリオン版DVDで観賞。
死者の幻影に狂った机龍之介(仲代達矢)が、新選組を斬る、KILL、斬る。
指折り数えてみました。ざっと70人は斬り捨てています。
全員が死んだ訳ではないでしょうし、一人で数太刀浴びている人もいるでしょうが、相当数の死傷者が出たのは間違いありません。
新選組に対する造詣は全くないのですが、芹沢鴨が惨殺されたのは1863年9月18日。
全盛期には200名を超える大所帯だったようですが、当時はまだ壬生浪士隊(映画では新選組を名乗っていますが、正式な改名は芹沢暗殺1週間後の9月25日)。
隊士数はWikiの「壬生浪士」によれば(8月18日迄で)73名。
粛清の当事者である芹沢、近藤、土方、沖田、藤堂と3日前に切腹させられた新見を除くと67名。
どう数えても全滅しています(笑)。
本来なら、この斬って斬って斬りまくるクライマックスの後に、続編に繋がるカットが入って幕となる予定だったようですが、続編製作が立ち消えちゃったので、いきなり「そこで終りかよ!」な所でエンドマーク。
続編でケリをつけるつもりだったであろうエピソードが全て投げっぱなしという事も含めて、他に類を見ないインパクトを誇る終わり方になっています。
前後左右と広がり&奥行きを持たせた構図は流石。シネマスコープの魔術師です。
「収めるという心得はやめて、はみ出すという感じにしないと駄目ですね」(岡本喜八)