デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

バスケット兄? アルタード・ステーツ/未知への挑戦

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マジック・マッシュルームで生命の起源へ。

2001年を遡行すると言えば聞こえはいいですが、実態は単なるラリパッパ幻覚ムービーで、そこが評価のポイントです。

 

アルタード・ステーツ/未知への挑戦」
(1979年/ケン・ラッセル監督)


人間の細胞に刻まれた太古の記憶、その記憶を呼び覚まして意識の起源へ遡る、という実験に取り付かれた科学者(ウィリアム・ハート)のお話。

一応、それらしく聞こえる仮説です。実際、個体発生は系統発生を繰り返しているわけですから、その原点が細胞の記憶にあると言うのは一理あるような気がします。

が、しかし。

意識覚醒のトリガーが幻覚キノコってのはどうよ?

更に、覚醒した意識が肉体に影響を及ぼす?! メタモルファーゼ!

類人猿に退化したジョン・ハートは、大学の警備員タコ殴りにして夜の街を疾走、野犬に追われながらサファリパークに侵入して、生肉喰らって満腹爆睡(翌朝、素っ裸で気絶している所を発見・保護)。

実験が進むと変態も進み、新しい形に変化・・って、君は「バスケット・ケース」のお兄ちゃんでは?!

人類の起源(終着駅?)はフリークスだったのか?!

遂には実験を離れた日常生活中にも肉体の変化が起こり・・。

ここまで風呂敷を広げてしまうと畳むに畳めませんね。いっそ、ビッグ・バンでも起こして新しい宇宙の誕生まで描いてくれれば、別の意味でカルトになったと思いますが、そこまでの根性はなかった(若しくはワーナーが許さなかった)ようで。

結局、愛はすべてを救う、な安いエンディングになるのですが、ブレア・ブラウンの臀部が素晴らしかったので良しとします。

ま、オチはこんなもんでいいだろ?的投げっ放し演出もある意味豪腕。

ウィリアム・ハートの娘役でドリュー・バリモアがチラッと顔出しています。

※ご参考