映画の小道具で最も登場回数が多いウィスキーって何でしょう?
別に統計を取ったわけではないので、ウルトラ当てずっぽうですが、アメリカ映画に限って言えば「ジャック・ダニエル」ではないでしょうか。
印象の強い作品と言えばはやはり、
「シャイニング」
(1980年/スタンリー・キューブリック監督)
雪に閉ざされたリゾートホテル。アル中(の過去があるという設定の)主人公が次第に狂気の淵へ。
家族という人生のお荷物から逃げて逃れて逃避して…。辿りついたのは幻想のバー。
ここで幽霊のバーテンダーに注いでもらったのがジャック・ダニエルでした(オーダーはただ単に“バーボン・オン・ザ・ロックス!”でしたが)。
これは主人公を演じたジャック・ニコルソン(役名もジャック)とその息子を演じたダニエル・ロイド(役名もダニエル)の名前に引っかかっていて、ほとんど駄洒落。
ジャック・ダニエルは、アメリカで最初の政府登録蒸留所テネシー州リンチバーグで生まれたテネシー・ウィスキー(法律上の分類はバーボン)。
蒸留直後、3m以上の深さのサトウカエデの木炭槽で一滴一滴濾過するチャコール・メローイングと呼ばれる工程が特徴です。
そう言えば「ガントレット」のクリント・イーストウッドもジャック・ダニエルを飲んでいましたね。
あと「セント・オブ・ウーマン」のアル・パチーノ。
『ジョン・ダニエルをずらっと並べろ』
『ジャック・ダニエルでは?』
『俺は付き合いが長いから“ジョン”でいいんだ』
粋ですねえ。
アメリカでウィスキーを飲んでいるシーンって「味わっている」というより「持ち崩している」というイメージが強いのですが、何故でしょう・・・。