初見から33年(DVDの販売告知レビューから3年8ヶ月)。
果たして「ウォリアーズの劣化コピー」という印象は変ったでしょうか?
冒頭、指を鳴らしながら闊歩する田中健と仲間たち・・すまん、輝男(呼び捨てかい!)、やっぱり駄目だ!
「暴力戦士」(1979年/石井輝男監督)
六高山頂上で開催のロック・コンサート会場で乱闘となった東京のストリート・ファイターズ(以下SF)と地元のドーベルマン・キッズ(以下DK)。
警察が確保に入って大混乱の中、SFのリーダー・ケン(田中健)とDKリーダーの妹・マリア(岡田奈々)が手錠で繋がれ網走番外地。
「これ使ってくれ」と仲間に渡されたローラースケート(でも一足)をつけて六甲下ろしの大滑走。警察とDK一派を敵に回して逃避行。目指すはホーム・東京。
まずオープニングの野外コンサート・シーンが、別撮りステージ(屋内スタジオ)と一般人資料映像と別撮り役者カットの混合バレバレで悲しさ一入(ひとしお)。
一番悲しいのはアクションにキレが全くない事。
恐らく戦犯はカメラ。アングルの取り方が悪いのと撮るべきシーンを押さえていない繋ぎの悪さが相まって位置関係の把握が難しい上にリズムが全くとれていません。
脚本も穴だらけ。
田中健と岡田奈々が敵の車やら冷凍トラックやら果てはウィンド・サーフィンまで乗りついで必死の逃亡をしているのに、乗り物から降りる度に、他のメンバーが「リーダー!」と駆け寄ってくる・・お、お前らどうやって追いかけて来たんだ?!
驚いたのは東京圏内に入ったのに、DKの刺客が増える一方でSFは孤立無援な事。
お、お前らホームに戻って来たのに助けてくれる仲間もいないのか?
田中&岡田が逃げ込んだ廃ビル(何故そんな人気の無い所へ逃げ込む?)を、ベースボール・フューリーズ丸パクリなペイントチームが、何と鉄球で破壊!
おいおい、そんな事したら岡田奈々も死んじまうだろうが。
瓦礫に埋もれて「きゃー」となった次のカットで、二人は仲良く公園散歩。
ど、どうやって抜け出し(&逃げ出し)たんだ?
という訳で本作は岡田奈々以外に見るべき所はありません。が、岡田奈々を見るだけで十分観賞する価値があります。
音を絞って、岡田奈々のCDを流してBGVとして愉しむ・・これがこの映画の正しい見方です。
★ご参考