♪なのにあなたは…。 鉄人28号/京都燃ゆ
ぐわあ、そこでチェリッシュ使うかあ。卑怯者ぉ。
「鉄人28号/京都燃ゆ」(山内東生雄演出)
京都で発生した連続殺人事件。被害者は戦時中、人工知能の研究をしていた不乱拳博士の弟子たち。
敷島博士は新聞に掲載された現場写真の片隅に信じられない人影を見る。
それは梅小路綾子。敷島出兵直前に祝言を挙げたかりそめの妻。戦火の中、行方知れずとなり、互いに死んだものと思っていた男女が京都の街で邂逅する。
ちょっと「怪奇大作戦/京都買います」を思わせる大人のラブ・ストーリー。共通点は女の京都に対する歪んだ“愛”。
「あなたはなんとも思わないの?この町を見て。この何も変わらない京都を見て。でも私達は変わった。いえ、東京も、日本も、みんな変わった。戦争っていう不幸の力で無理矢理。でも、どうしてこの町だけ変わらないの? そう、あの時、私の目に映ったのは昔のままの京都。何も変わらない京都。まるで戦争なんか知らなかったような京都。自分の幸せだけを守り続けて満足げ。だから、私は京都に腹が立つの。京都が憎いのよ。だから、少しでもいい。私達のこの不幸を、この町にも味あわせたいの!」
“鉄人になれなかった”人口知能ロビーが守ろうとしたものは?
「なのに、どうしてあなたは京都に来たの?!」
10年前、闇に葬った二人の秘密とは?
「この10年、私は何も知らず、何もせず、一体、一体、私の戦後とは何だったんだ?!」
中盤のクライマックスとも言える京都編。この2話(「不乱拳の弟子たち」「京都燃ゆ」)のみ、エンディング曲がチェリッシュの「なのにあなたは京都へゆくの」。
ビターな悲恋を折り返し点に、物語は怒涛の終盤へ…。