デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

英国の映画監督が選ぶベスト映画…が小津?

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英国映画協会(BFI)が発行しているSight&Sound誌が「映画監督が選ぶベスト映画」なんてランキングを発表しました。

栄えある1位はなんと小津安二郎監督の「東京物語」。

以下、『2001年宇宙の旅』『市民ケーン』『8 1/2』『タクシードライバー』『地獄の黙示録』『ゴッドファーザー』『めまい』『鏡』『自転車泥棒』と続きます。

まあ、同業とは言え846人の嗜好の“集計”。個性も特徴もなくなってしまうのは致し方ないことではありますが、それにしても凡庸の感は拭えません。

9位にタルコフスキーが入っているのはなんとなく嬉しいですが…。

1位:小津…。悩ましいですね。三池監督が横浜映像専門学校入った時にクラスメイトから「小津さぁ…」と話しかけられて“魔法使い”しか頭に浮かばず、「ここにいても仕方が無い」と悟ったという話がありますが、“小津の素晴らしさを得々と語る人間”と友達になるのはちょっとハードルの高い罰ゲームのような気がいたします。

映像作家としての立場から選ぶベストな訳ですから、こういう時こそ“画”そのものに力のあるクラシックな作品が並ぶのかと思っていました。例えば、

戦艦ポチョムキン」「メトロポリス」「カリガリ博士」「吸血鬼ノスフェラトゥ」「灰とダイヤモンド」「ドクトル・マブゼ」「恐怖の報酬」「西部戦線異状なし」「暗黒街の顔役」

みたいな(グリフィスとゴダールビスコンティとウェルズとヒッチコックは趣味じゃないので外しました)。

邦画で1本入れるなら「ゴジラ」か「日本のいちばん長い日」か「飢餓海峡」でしょうか。

比較的最近(カラー以降)の作品から選ぶとしたら、

2001年宇宙の旅」「ゴッドファーザー」(←流石にこの2本は鉄板だ)「ウェスタン」「バニシング・ポイント」「ドクトル・ジバゴ」「エクソシスト」「サスペリアPart2」「飛べ!フェニックス」「惑星ソラリス」「エル・トポ」

辺り?(邦画該当作無し)。

天井桟敷の人々」「第三の男」「モダン・タイムス」「カサブランカ」とかも選外なんですねえ(いや別に私が好きって事じゃなくてね)。

多少の独断と偏見と誤解と思い込みがあっても、ランキングはとんがっていた方が面白いですね。