『わくわくするなあ。現場に出てさ お前と組むの、夢だったんだ』
ちょっと目頭が熱くなってしまいました。
良かったなあ、ショーン、あいや、サイモン・ペッグ。
「ミッション・インポッシブル:ゴースト・プロトコル」(2011年/ブラッド・バード監督)
おいおい、アメリカは核弾頭ミサイルが飛んできているのに迎撃ひとつしないのか、など突っ込み所は数知れずですが、133分という長丁場を飽きさせず引っ張りきったのは流石。
やはり、トム・クルーズの安定感&安心感は頭抜けています(同率首位:エドワード・ノートン)。
のっけから、核ミサイルの発射コードを書面にして持ち歩くという行為のリアリティってどうなのよ?という根本的疑問に襲われますが、まあいいです(いいのか?)。
クライマックスの駐車場アクションがこじんまりし過ぎですが、中盤に“130階ビル側面ロック・クライミング”という、高所恐怖症の人が観たらケツの穴が開ききる見せ場があります。
敵キャラが総じて弱すぎですが、その分、味方側のキャラが魅力的なので、チーム形成の面白さがあります。
特に前作の裏方から現場メンバーに出世したベンジー(サイモン・ペッグ)は、急緩のいいアクセント。
冒頭の台詞はベンジーが、イーサンとクレムリンに正面から侵入する時のもの。
イーサンと組む=トムと競演する、と読み替えれば、「ショーン・オブ・ザ・デッド」からのファンとしては感慨深いものがあります。
さて、本作の字幕担当はご存知誤訳の女王ナッチ様です。
専門的な会話はほとんどないので、致命傷はありません(劇場公開時の「冥王星は太陽系じゃない」という台詞は流石に恥ずかしくなったのか、「冥王星は惑星じゃない」に修正されておりました)。
ただ、(成り行きで)チームに加わった分析官ウィリアム(ジェレミー・レナー)が、実は元諜報員だったという事がバレた時のイーサンの台詞、
「You Tell Me Yours. I’ll Tell You Mine」
(吹替では「君が話すなら僕も話そう」)を、
「打ち明けっこするか?」と訳された時は腰が砕けました。
修学旅行の消灯後じゃないんだからよ。仮にも大人の、プロの、諜報員の会話だぞ。
ホントこのおばあさん、日本語のセンスが無茶苦茶です。