「たまには冒険するのもいいだろう(Sometimes, You Just Gotta Roll The Dice)」
本編中に3回、形を変えて出てくる台詞です。
吹き替えだと「人生にはハプニングがつきものだ」になっていましたが、字幕の方が台詞のニュアンスを汲み取っていると思います(字幕監修は町山智浩氏)。
「宇宙人ポール」
(2010年/グレッグ・モットーラ監督)
カリフォルニア州サンディエゴ。ここは年に一度、7月か8月の4日間、人口が1割増加します。
コミック市場の見本市、街をあげてのオタクの祭典、コミコンが開催されるから。
この日のためにイギリスからやって来たいい歳こいたオタクコンビ、グレアム(サイモン・ペッグ)とクライブ(ニック・フロスト)。
この二人が並ぶだけで妙に嬉しくなるのは何故でしょう。
本当に楽しそうにコミコンの各ブースを渡り歩く二人を見ているだけで思わず頬が緩んでしまいます。
コミコンを堪能した後は、レンタカーで名所巡り。ネバダのエリア51、ブラック・メールボックス、キャンプ・ヴェルデ、アパッチ・ジャンクション、ニューメキシコのロズウェル…。
要するにUFOスポット巡りです。この途上で二人は軍事施設から逃亡してきた宇宙人ポールと第三種接近遭遇。
態度がデカく口も悪い宇宙人と外人のオタク。異星人と異邦人。ここにガチガチのキリスト教原理主義女ルース(クリステン・ウィグ)が加わって面妖な逃避行スタート。
「E.T.」「未知との遭遇」をベースに、「スターウォーズ」「スタートレック」などSF小ネタ満載。
溢れかえりむせ返るリスペクトの嵐。これだけ愛情たっぷりに引用されればスピルバーグも本望でしょう(声だけですがスピ本人もゲスト出演。しかも本人役)。
逃走エイリアンには当然軍の追っ手が。“ビッグ・ガイ”と呼ばれる謎の女性司令官の指示でポールを追い詰めるエージェント・ゾイル(ジェイソン・ベイトマン)。
クライマックスで現われるビッグ・ガイが“あの人”とは。更に自身のキメ台詞「Get Away From Her, You Bitch!」を浴びせられる自虐ぶり。太っ腹な人だなあ。