デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

始まりと終わりの場所。 バトルシップ

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「どうする? 戦艦はもうないぞ」
「あるじゃないか。あそこに」
「…ミズーリ?! 馬鹿言うな、あれは記念艦(Museum)だぞ!」
「今日は違う」

舞台は真珠湾。日米初め世界14カ国の海兵将校2万人が集結するRIMPAC(環太平洋合同演習)の海域に突如飛来した異星人のバトルシップ

ハワイ諸島全域を覆う巨大なバリアに阻まれて外からの攻撃は不能。バリアの中にいるのは僅か3隻の分遣隊のみ。

駆逐艦サンプソンが沈み、護衛艦みょうこうが撃破され、駆逐艦ジョン・ポール・ジョーンズも善戦空しく海の藻屑に。

万策尽き果てた日米混線部隊の最後の砦、それは太平洋戦争に於ける日本の降伏調印式場。

始まりと終わりの場で日米が今ひとつに。

『建造されて70年の化石です。システムの全てがアナログだ。蒸気エンジンの点火方法なんかもう誰も知らない。マニュアルを読むだけで6週間。エンジン点火の乗組員もいない。無理ですよ』

その時、記念艦ミズーリを管理している退官軍人たちが。

『ヘイ、ボーイズ。俺たちに出来る事があるか?』

この瞬間、記念艦ミズーリアイオワ級戦艦USSミズーリに!

脚本は適当だわ、主人公(テイラー・キッチュ)のドラマ・パートはどうでもいいわと文句は山ほどあるのですが、日米の関係とちょっと胸熱な展開で全部チャラにします。

 

バトルシップ(2012年/ピーター・バーグ監督)


日本の護衛艦みょうこうの艦長ナガタ役に浅野忠信。英語になると滑舌いいじゃないか。

因みにみょうこうは2012年のRIMPACに参加しています。

本作の原案は1967年に発表したボードゲーム「Battleship」。

我々世代に分かる言葉で言えば「レーダー作戦ゲーム」(写真下)です。

向き合ったプレイヤーが己のフィールド(海域)に船を並べ、相手の位置を推理しながら座標指定で爆撃していくゲームです。

本作の中でもレーダーに映らない敵船を波高感知ブイのデータから推理して座標指定によるミサイル攻撃を行う、というシーンがありました。

また、宇宙人が投擲爆弾のように打ち込んでくる円柱形のミサイルは、このゲームのピンを模したもののようです。

頭カラッポ系ド派手CG博覧会。何も考えずにどうぞ。