
傍若無人だが憎めない紙リス・アキラ先輩と、振り回されつつマイペースな後輩、紙兎ロペ。
ふたり(二匹?)のまったりゆるゆるな会話を愉しむ連作アニメが映画化されました。
どんなにく~だらない会話も2分前後でサクッと切り上げる事で脱力ギリギリの爽快感をキープしてきた居合い斬り的瞬間芸を82分にブローアップ。
これは無茶だ。走り幅跳びの選手に幅跳びをしながら長距離マラソンをしろ、と言っているようなものです。
このハードルをクリアするのはちょっと無理だろうと思いましたが、何とあっさり走り抜けてしまいました。恐るべし紙動物軍団。
「映画 紙兎ロぺ ~つか、夏休みラスイチってマジっすか!?~」(2012年/内山勇士監督)
8月31日。夏休み最後の日。
アキラ先輩は壊してしまった姉ちゃんのイヤリングを修理し、宝石強盗団に追われつつ、夏休み自由研究をやっつけなければならないという難易度:HARDな1日を送るハメになるのですが、本人はまったりのんびり。
早朝から学校のプールに忍び込み、ラジオ体操に参加し、林商店でウルトラボールのガチャガチャに挑戦。
律儀に付き合うロペもまた柳に風。このテンポこそロペの魅力。
中盤以降、騒動に巻き込まれていくのですが、実は巻き込まれたのはアキラ先輩ではなく、宝石強盗団の方だったようです。
にしてもロペでカーチェイスが見られるとは…。
ひとつ文句を言わせて頂くと、何故DVDオンリー?
ロペのもうひとつの魅力は、恐らく写真トレースであろう下町の緻密な背景の中に隠された小ネタを見つける事。
これはHD画質で初めて可能なことで、Blu-ray化が大前提。
無料のWebがHD画質なのに、有料ソフトがDVDじゃ本末転倒です。
林商店の看板に書かれている“おかし おもちゃ”の後の“やわらかいちり紙”ってのが妙にツボで。
是非、Blu-rayでの再販をお願いします、東宝さん。