やたら特殊な環境設定でありながら実態はキャラ立ちの良さだけで引っ張りまくる偏差値貧乏な“バカと美少女達による学園エクスプロージョンラブコメ(バカコメと略すらしい)”。
「バカとテストと召喚獣[北米版BD-BOX]」
(2010年1月~3月放送/大沼心監督)
現在「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い」で個人的に評価アゲアゲな大沼監督の代表作。
舞台は進学校として名高い私立文月学園。
振り分け試験によるクラス編成はカースト制度が裸足で逃げ出すヒエラルヒー。
学力上位50名で構成されるAクラスは、教室というよりサロン。あらゆる備品が一級品。
対して最低学力者で構成されるFクラスは、壊れたちゃぶ台と腐った畳、綿の抜けた座布団という「差別よ、差別!」な極貧暮らし。
この絶望的状況から這い上がる方法はただひとつ。上位クラスに「試召戦争」を仕掛け、勝利することによって備品の交換権利を得るしかありません。
試召戦争とは?(ここから唐突にお話が飛躍するよ)
文月学園が試験導入している「試験召喚システム」に準じたもので、ここの生徒は自身の学力に応じた攻撃&防御能力を有した“召喚獣”なるものを持っています。
召喚者をデフォルメした、アバターとポケモンを足したような三頭身キャラです。
教師の展開する科目別“召喚フィールド”内でのみ呼び出し可能な召喚獣を使っての代理戦争、それが試召戦争です。
何故、そんな事ができるのかと言うと…分かりません。科学とオカルトと偶然によって開発されたシステムなんだそうです。
という全く論理的な説明を受け付けない設定の中で繰り広げられるバカのバカによるバカのための大騒ぎ。
主役は2年Fクラス、吉井明久。文月学園創立以来初の“観察処分者”という肩書きを持つ自他共に認めるバカ…なのですが、義に厚く情けに脆い熱血直情男子。
相棒の坂本雄二は幼少期に神童と呼ばれた逸材でしたが、ある事件を契機に勉強に意味を見出せなくなり、無気力な生活を送っています。
ムッツリーニの異名をとる土屋康太。ミッション・インポッシブルな盗聴盗撮野郎。保健体育だけは教師すら圧倒する成績。
メインヒロインは二人、いや三人。
姫路瑞希はAクラス並の学力を持ちながら、振り分け試験を体調不良により途中棄権したため0点と看做されFクラスへ。彼女の手料理は文字通り“必殺”。
島田美波はドイツからの帰国子女。テスト問題の日本語が理解できなかったためにFクラスへ(この設定、アスカと一緒だな)。日本語の介在しない計算問題は得意。ツンデレ。
そして、男女の垣根を超越した第三の性、木下秀吉。れっきとした男ですが、見た目は美少女。本人が男であると主張しても周りが認めず。トイレやシャワー室など何故か「男子」「女子」の隣に「秀吉」が存在。演劇一番勉強二番。
と、並べてみるとFクラスで本当にバカなのは明久ひとりだけで、後は訳有りなんですね。
だからこそ、学力上位クラスとの試召戦争に勝機があるわけで、その頭脳戦(ワル知恵?)も見所となっています。
正真正銘のバカなのに、男(ゲイ含む)からも女(姉含む)からも秀吉からも好かれる明久。いや羨ましい。
個人的オシキャラは、Aクラス代表で、坂本雄二を暴力的に愛している(他の女を見たら目潰し、拉致と仕置きはスタンガン)霧島翔子(写真一番下)と、
明久が隠していたエロ本に“姉萌え”がないと怒るブラコンの姉、吉井玲(あきら←ウルトラナイスバディで羞恥心ゼロ)の二人。
北米版BD-BOXはDVDとセットのコンボタイプ。通常のBDケースにDVD3枚とBD2枚を詰め込んで約4,000円。無駄にお買い得です。