デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

恐怖!ウンコピー人間現る。 シンクロ

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コピー人間がオリジナルを殺して入れ替わるという意味では「ボディスナッチャーズ」の正当な後継者なのですが、出てくるところがちょっと…。

「シンクロ」(2011年/ゴレゴリー・オア監督)

原題はRECREATOR。「死霊のしたたり」リスペクトな気がしなくもないですが多分気のせいだと思います。

舞台はブルースター島という無人島ではないが適度に文明から離れた島のキャンプ場。

ここでアウトドアを愉しもうとやってきた白人男×白人女×黒人男の三人組(白人同士が恋人)。

海辺でキャンプを張ったものの夜半に豪雨・雷鳴の大歓迎。

唯一と思える人家はお留守。黙って入ってトイレにシャワーにと寛いでいたら主人ご帰還(なんかつい最近、似たような導入の作品を紹介したような…)。

慌てて地下室に隠れたら、荷造りされた死体がふたつ。それは今帰って来た家主夫婦と瓜二つ。

危機的状況の三人を救ったのは三人と瓜二つの三人組。お前ら誰だ?

実はこの家、かつてはとある科学者の持ち物で離れの地下には謎の研究施設が。

どうやらクローンの研究をしていたようなのですが、ご本人は冷凍室でフリージング。

この研究室からクローン液(色がハーバート・ウェスト君謹製のものと似ている)が排水溝に流れ、汚水溜めに溜まり、新鮮な汚物が流れ込んだ所に雷が落ちて、汚物内のDNAとクローン液が反応して…

いやあ、どう考えてもこの工程でクローン人間はできないだろう…と言ってしまっては話が先に続きません。

肥溜めの蓋突き破ってクローン、いや“ウンコピー人間”登場!

自分で書いておいて何ですが、“うんこ”に“ぴー”という擬音がつくと物凄く勢いのある語感になりますね。

オリジナルの記憶を共有し、種としてはオリジナルを上回る(なんでだよ!?)ウンコピーたちはオリジナルを殺して入れ替わろうとしますが…。

そこそこ凝ったお話なのですが、テンポがイマイチ。倍速で観ると丁度良いかも。

ヒロインのやさぐれたお姉ちゃん(ステラ・メイヴ)、どこかで見た顔だと思ったら、「ランナウェイズ」でサンディ・ウェスト役だった人ですね。

ちょこっとバッド・エンドなエピローグは良いサジ加減だと思います。

※参考:「シェリーがチェンソー・アーチスト? ランナウェイズ」
      →2012年1月11日
     「その女房、狂暴につき。 ストライク・バック」→2013年6月9日