デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

好都合な選択。 進撃の巨人♯19 噛みつく

イメージ 1
「あっっつい! 皮膚無いとクッソ熱いぜ! これ! すっげえ熱い!」

分隊長! 生き急ぎすぎです!」

腕の先だけ部分巨人化したエレンを見て狂喜乱舞のハンジ分隊長。

手よりもあなたが熱いです。

進撃の巨人/第19話・噛みつく」(2013年8月19日放送)

巨大樹の森で女型の巨人に襲われたリヴァイ班。

後列班が文字通り決死の足止めを繰り返すもことごとくすり潰されて生ジュース。

巨人化して女型の巨人と対峙しようとするエレンを制止するペトラ。

「戦いから目を背けろと?! 仲間を見殺しにして逃げろって事ですか?!」

「ええそうよ! 兵長の指示に従いなさい!」

しかし、リヴァイ兵長は、

「お前は間違ってない。 やりたきゃやれ」

自分を信じて戦うか、仲間を信じて先に進むか、決断を迫られるエレン。

「遅い!! さっさと決めろ!」

「…進みます!!」

今回は原作との比較で(恐らくは尺の都合と製作時間の都合で)ちょっと残念な箇所が幾つかありました。

まずは、エレンが目的無しに巨人化できない事に対するハンジのモノローグのカット。

“(巨人は)何かしらの用途があって存在している道具のような性質とも見てとれる。だとしたら、「人を食べる」存在でしかない彼ら巨人は、何にとって都合がいい存在なんだ”

巨人のレーゾンデートルにまで踏み込んだ結構重要な台詞…だったかもしれません。

もうひとつ、「進みます!」と決断した直後のエレンのモノローグのカット。

“そうだ…俺は…欲しかった。新しい信頼を。あいつらといる時のような、心の拠り所を。もう、たくさんなんだ。化け物扱いは…。仲間外れは、もう…。だから、仲間を信じる事は正しいことだって…そう思いたかっただけなんだ。そっちの方が

…都合がいいから”

仲間を信じて前に進むという決断は美しいですが、心の奥底の本音はこうであったと。エレンはこの甘い決断の代償を払うことになりますが、ひょっとするとその時にこのモノローグを使う気なのかもしれません。

そして、作画面にも幾つか不満が。ひとつは止め画の描き込みがやたらと手抜きだった事。

特に井戸の中でエレンが巨人化するのを待っている時のリヴァイの顔とか“誰だよ、お前? 目がパタリロみたいになってるぞ”な出来具合(横にいるハンジの顔も、気圧の低いところに行った人みたいになっています)。

もうひとつ、兵団本部でミーティングをしている時、ハンジのメガネがすり替わる(フレームが縁無しタイプ→ゴーグルタイプ)というイリュージョン・シーンが。

あと、特段手抜きという訳ではないですが、前傾姿勢になって世界陸上モードになった女型の巨人の描写(写真2枚目)が原作の迫力(写真3枚目)に追いつけなかったのは残念でした。

エルヴィン団長の奇策によって遂に捕縛された女型の巨人。果たしてその“中の人”の正体は?

さて、今週のエンドカードイラストは「花嫁さん、いらっしゃい(写真一番下)」。

先週のライナーの名台詞「結婚したい」を受けてのものでしょうか。

右端がユミルでもペトラでも(勿論ハンジでも)なく、リコって所がマニア泣かせです。