デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

愛が契る信頼と絆。 百花繚乱 サムライ・ガールズ

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『千は今わかりました。大日本に剣姫(マスターサムライ)が生まれなくなったその理由が。マスターサムライに相応しい士(サムライ)が減ったのではなく、将の資格を持つ男がいなくなったのだと!』

リーマンの 心に響く その箴言…。

「百花繚乱 サムライ・ガールズ[北米版BD-BOX]」(2010年10月-12月放送/KOBUN監督)

時は戦国…ではなく21世紀初頭の大日本国(年号は平誠)。

明治の大改革により身分制度封建制度が廃止され中央集権国家へと変革。国家は欧米列強の干渉を跳ね返し、日本の独立を守り抜いた…という設定の“もうひとつの日本”。

かつて関が原にて豊臣勢を下し、天下を手にした徳川一族が、外様大名の反乱、諸外国の政府干渉を鎮圧し今日に至っています。

将軍息女・千姫の召喚で、武應学園塾併設の柳生道場にやってきた柳生宗朗(やぎゅうむねあきら←真陰流免許皆伝)。

道場に入ると何故か幼女体型とゴージャスバディの女性2名が生着替え中。

ゴージャスバディは後藤又兵衛、幼女体型は真田幸村と名乗るのでした。

真田幸村は豊臣方(反徳川)。そこに武應学園塾風紀委員長・服部半蔵率いるメイド軍団が!

成り行きで戦いに巻き込まれた宗朗の元に天空からひとりの少女(勿論全裸)が降臨。

宗朗と口づけを交わした少女はマスターサムライ・柳生十兵衛に変身して大暴れ!

…ってな感じで、武将・剣豪の魂を受け継いだ美少女たちのバトルロワイヤルが展開されていきます。

皆それぞれに見せ場がある中、ひとりコメディ・リリーフ役を押し付けられたのが“愛の戦士”直江兼続

上から目線で威勢はいいが、毎回全員からタコ殴り。ボケ役突っ込まれ役叩かれ役絞め落とされ役。

米沢の人が観たら悲しむ(怒る?)だろうなあ。

スラップスティックエロコメとして出発したくせに、最後は“信頼と絆”なんていう震災後日本のようなテーマに収斂していきます。

敵味方として登場した剣豪たちが、やがてひとつになって大日本を覆う黒い影に立ち向かっていく王道展開。

士(サムライ)は将と契約することによって剣姫(マスターサムライ)となります。宗朗は将の資質を備えているのですが、その契約方法がキス。うらやましいぞ!

『何を恐れよう。この国に将と士がある限り…信頼の絆がある限り!』

北米版BD-BOXは通常ケースの2枚組。全12話+『OVA 百花繚乱 ~乙女 嬉し恥ずかし将士の契り~』『風華チルヲ描き下ろし音声付4コママンガ』がついて約4,000円(国内版は定価25,200円)。

本作、放送時は「エロ」の部分に(自主規制で)墨が入り放題入っていて、画面が墨汁のシミだらけという悲惨な状態だったようですが、BDでは全て除去。霧が晴れたようなすっきりさっぱり画像を愉しむ事ができます。