「いいか! 今の貴様らは人間以下だ! 笑うことも泣くことも許さん!」
「わざと負けて目立ちたいか?! 痛いフリをして同情を引きたいか?! この負け犬根性のゴミ溜め野郎どもが!」
「貴様らの彼女はそのボールだけだ! ケツのでかい(ピー)なぞお前らには必要ない! そのボールを(ピー)だと思って精一杯(ピー)してやれ!」
卑しくも巨匠の作品にあやかってつけたタイトルであるならば、当然その作品に対するオマージュはあって然るべき。
「フルメタル・パニック?ふもっふ[北米版BD-BOX]」(2003年8月-11月放送)
先般ご紹介した「フルメタル・パニック!(以下“1期”)」の続編です(諸設定については8月24日のレビュー参照)。
1期は学園パートと軍事パートを交互に配置する事で急緩のバランスをとっていましたが、「ふもっふ」は学園パートのみ。緩みっ放しの学園ラブコメです。
面白いのは相良宗介の常軌を逸した行動の数々(※1)が学内で黙認されている事。
※1:女の子が相良の靴箱にラブレターを入れたのを「何者かが靴箱を開けた形跡がある」と言って用心のため靴箱ごとプラスチック爆弾で爆破する、など。
どうやら相良の編入は“もの凄い額の寄付金”とセットになっていたようで校長は相良を放任。
更に本来なら敵対するポジションにいるはずの生徒会長がどういう訳か完全に相良派で「やりたまえ相良くん」。
で、今日も相良は千鳥かなめを守るため、銃火器・爆薬を駆使しつつ学業に勤しんでいるわけです。
で、問題のキューブリック・リスペクト・エピは第7話「やりすぎのウォークライ」。
心優しき巨漢の巣窟、ラグビー部。
花を愛で、殺生を好まず、甘味好き。練習は怪我をしないようにグランドの小石を拾ってから。タックルの練習は危険だから行わず、スクラムの前には全員でお祈り。
当然、試合に勝つことなどあるわけがなく、廃部通告。存続の条件は練習試合で花園常連のガラス山高校に勝利すること(勝率は49戦49敗)。
廃部を突きつけられても「でも、人を傷つけるのはちょっと…」
ところが、ある事件をきっかけに部員全員が勝負に開眼。相良がコーチとなって山篭り特訓。試合会場に現われた部員たちは…。
「いいか! 今この時を以って貴様らはウジ虫を卒業する! 貴様らはラガーマンだ!」
「サー、イエス・サー!」
「野郎ども、俺達の特技は何だ!?」「殺せ! 殺せ! 殺せ!」
「この試合の目的は何だ!?」「殺せ! 殺せ! 殺せ!」
「俺たちは学校を愛しているか?! ラグビー部を愛しているか?!」
「ガンホー! ガンホー! ガンホー!」
後に“二子玉川の悪夢”として語り継がれる試合の始まりです。
因みに「ふもっふ」とは?
遊園地ふもふもランドのマスコット、ボン太くんの言語です(O次郎の「バケラッタ」みたいなもの)。
何故、ボン太くんなのか。それは各自ご確認ください(ふーもーふもふもふもふっもー!)。