『お前にわかだな?アニメ好きになったの最近だろ?』
『ま、まぁ…』
『だったらあれでいい。知ったかぶりはするな。相手の話は聞け。
そして自分の好きな話に強引にもってはいくな』
ありがとうございます猫先輩。心に刻んでおきます。
「アニメガタリズ/第1-3話」
学校で友人にこの話をした時に耳をそばだてていた女がひとり。
“もの凄いお嬢様”にして“アニメオタク”の 上井草有栖(かみいぐさ ありす)。彼女に“アニメ好き”と誤解された未乃愛は放課後、有栖の猛烈なアニメ語りを聞かされる羽目に…。
アニメファンは語りたい。
近寄りがたいお嬢様がこんなに目を輝かせてマシンガントークを…。ならば、同種の人間がいる所に行けばもっと…と思ってサークル棟へ。目指すはアニメ研究部。
しかし、アニ研は活動停止中。無いなら作ればいいじゃない。巻き込まれ形サークル作りは青春もののお約束。
ビラ配りと言えばバニーコス。お約束を超えた宇宙の法則。
そして集まってきた濃い面々。原作至上主義の高円寺美子(こうえんじ みこ)、3年のコスプレイヤー青山 絵里香、2年の中二病重患・武蔵境 塊(むさしかい かい)、そして2年のイケメンにして2次元アイドルオタク中野 光輝(なかの こうき)。
『名作と呼ばれるアニメにはある一定の法則がある!』
『3話でメインと思われたキャラが死ぬアニメは名作…』『野球回があるアニメは名作!』
面子は揃った、と思った瞬間、生徒会が部室無期限使用禁止のお達し。
承認か、廃部か。部室をかけた臨時生徒総会開催(生徒会、アニ研双方の主張を聞いた上で集まった生徒が投票で決める)。
『諸君!俺は能力バトルアニメが好きだ!それは何故か。
理由はいくらでも挙げられる。
およそ戦闘には向かない能力を駆使し最弱のはずが最強になる。
現実では有り得ない能力で建物ごと破壊して回る様なバトルを繰り広げる。
どれも素晴らしい。能力バトルアニメの一番良い所…
それは常に弱者の味方であり理不尽な強者を屈服させるところだ。
声無き者の声を聞き力無き者の力となる。それこそが能力バトル物の神髄!
作り話? ご都合主義? 笑いたければ笑え。
だが俺たちが正義を、友情を、折れない心を学んだのはアニメではないか!
それを無価値だと断罪する権利がなぜ生徒会如きにあると思う?
電撃1つ出せない、テレポーター1人いない、無能力者共のこの生徒会に!
理不尽な生徒会に屈し、アニメ研究部廃止に1票を投じるのも自由だ。
だがそんなことでは一生モブキャラだ!
貴様らは自分の信念を貫くメインキャラになりたくはないのか!?
俺はなる! そうであるとアニメに教えられたからな!』
電撃ひとつ出せない、はツボでした。
本作の良い所は、主人公・阿佐ヶ谷未乃愛がとんでもなく聞き上手だということ。
オタク話を飽きることなく、話の腰も折らず、目を輝かせて聞いてくれる、これを天使と呼ばずして何と呼ぶ?
3話のテーマは「3話切り」でしたが、これを3話で切ってはいけません。
おまけ其の壱
ちょっと被っている高円寺さんと固法先輩@レールガン。
おまけ其の弐