デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

信じる…。 フルメタル・パニック!TSR

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「貴様ぁ、一体何者なんだあ!」

「俺か? 知りたいなら教えてやろう。ミスリルなんぞはどうでもいい。俺は、東京都立陣代高校2年4組、出席番号41番、ゴミ係兼傘係の、相良宗介だぁあ!」

名乗りこそドラマの花道というテーゼは曼荼羅畑がしつこく繰り返すところですが、今回の名乗りもなかなかに心震えるものがありました。

フルメタル・パニック!TSR-The Second Raid-[北米版BD-BOX] (2005年7月-10月/武本康弘監督)

フルメタル・パニック・シリーズの第3弾。前作「ふもっふ」は学園ラブコメ全力投球でしたが、今回はシリアス軍事路線まっしぐら。

“たまには火薬の臭いを嗅ぐのも悪くは無い”的ボトムズチックな展開です(予告のナレーションもかなりボトムズを意識している…が、あのレベルには届かない。残念!)

内戦・地域紛争を扇動する戦争屋の暗躍。

ここ一番という所で機能しないλドライヴ。愛機アーバレストに不信感を募らせる相良宗介

香港を紅蓮の炎に染める謎のAS(アームスレイブ)。

千鳥かなめ警護の任を解かれ、帰投命令が出た宗介。間隙を縫ってかなめに差し向けられた刺客。

情報局の監視を逆手にとって孤独な反撃を開始するかなめ。

突然の帰投命令を巡ってテスタロッサと感情的に対立してしまう宗介。香港に潜入したもののかなめへの想いからオペレーション中にミスを犯した上に失踪。ひとり香港の街へ。

任務を放棄した相良を指弾するマデューカス中佐と真っ向対立するテスタロッサ大佐。

「6ヶ月前、あの空港で我が身を顧みず貴重な情報をもたらしたのは誰? 4ヶ月前、とてつもなく強力な敵機にぶっつけ本番で立ち向かいそれを撃破したのは誰? ヘルマジスタンの山奥で仲間達を次々に殺されながら密輸されようとしていた核弾頭を奪い返したのは誰? 3ヶ月前、死力を尽くしてこの船を守ったのは誰? 言ってみなさい!誰なの?」

「…相良軍曹です」

「そうです。それでもあなたは彼を責めるの? 彼を臆病者だと決め付けるの?」

相良のポイント目指して放たれるアーバレスト。「そこで朽ち果てろ」一瞥をくれて去ろうとする相良の前に現われたのは…。

「ち…どり」

「皆が危ないんでしょう! あと単位も! さっさと行って、片付けて来なさい!」

相手を、仲間を、愛機を信じるというベクトルが1本に収斂されていくクライマックスは見応えがあります。

北米版BD-BOXは、全13話に加え、Episode00、OVA「わりとヒマな戦隊長の一日」その他映像特典が収録された2枚組み(約2,000円。国内版だと30,000円超え)。

「ふもっふ」との“振れ幅”をお楽しみください。

※参考:「異文化交流ミリタリーラブコメ。 フルメタル・パニック!
      →2013年8月24日
    「ガンホー! フルメタル・パニック? ふもっふ」→2013年9月11日