デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

初級引き篭り講座・空鍋伝。アウトブレイク・カンパニー♯8

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「扉がね、重くなっていくんだよ。どんどんどんどん。引き篭りが長くなるほどね。最後は自分では開けられないくらいに」

閉めるのは簡単ですが、開けるのは難しいんですね。

「アウトプレイク・カンパニー/第8話・皇帝陛下の憂鬱」(2013年11月21日放送/松下周平演出)

前回はミュセル萌え萌え回でしたが今回はペトラルカ上げ上げ回。

退屈極まりない公務に嫌気が差して自室に閉じこもってしまったペトラルカ。ドアには結界が張られ、エルガントの人間は入室不能

「これは…エリートのみが発症する病気“引き篭り”です」

「HIKIKOMORI?!(←訛っている)」(ガリウスとザハールがユニゾンで叫ぶのが妙に可笑しい)

このままでは公務に支障が。結界の通用しない日本人なら入室可能。入るのは勿論…。

「じゃ、頼んだよ、慎一くん」

「へ?」

引き篭りと言えば君、君と言えば引き篭りだろう。自分の事なら対処法も心得たものだろう?」

かくして引き篭りのエキスパート、慎一がペトラルカ説得の任を担って中へ。

ペトラルカは日本の雑誌から得た知識で引き篭もり部屋を作っていましたが、慎一はこれに駄目出し。

「甘い、甘いなペトラルカ。これじゃまだ50点だ。見せてやろう、ニッポンが誇る本当の引き篭り部屋を!」

だだっ広いペトラルカの寝室の片隅に畳を敷き、必要な物の全てを手の届く範囲に並べ、更に自衛隊の発電機から電源供給してもらってテレビ、ゲームを配置。正しい引き篭もり部屋の完成です。

慎一が入室する前にガリウスが語ったペトラルカ皇位継承話。

本来なら次期皇帝はペトラルカの両親。しかし、弟夫婦と皇位継承権を巡って争った結果、互いに毒を盛りあって死んだ。その弟とは…。

「ペトラルカの両親を殺したのは…私の両親だ」

ペトラルカとガリウスはいとこ同士。双方の父は互いに毒を盛りあった兄と弟。

「その事をペトラルカは…」

「無論知っている。だからこそ二度と同じ愚行を繰り返さないためにも、ことさらに立派な皇帝たらんとしていつも張り詰めていたのだと思う。そんなペトラルカの気持ちに我々大人は甘えていたのだ」

単なる我侭に終わらせず、ペトラルカの残酷な過去と重圧を背景に噛ませる辺り、スタッフの愛情を感じます(今回はアニオリ回のようです)。

一方、慎一がペトラルカの部屋に泊まる事を知ったミュセルは半壊。空鍋モード(放心状態で空鍋を炊き続ける。当然いつまで経っても食事は出来ない)に。

「すみません。もう少々お待ちください」

慎一、ミュセルの愛はちょっと怖いぞ。