蜘蛛、蟻の巨大化はよくある話ですが、カマキリは珍しい。
「極地からの怪物 大カマキリの脅威」(1957年/ネイザン・ジュラン監督)
北極の氷の中で眠っていた有史以前の大カマキリが覚醒。米軍の観測基地で人間つまみ喰いしつつ南下。
現場に残った巨大なトゲ上の物体から、相手が外骨格を供えた巨大な肉食の昆虫、恐らくはカマキリと類推した米軍は哨戒機を飛ばして警戒しますが、相手も飛行能力有り。
遂に不気味な羽音と共に米国本土へ。
カマキリの造型も素晴らしいですが、効果音が出色。
カマキリがどんな声で鳴くのか知りませんが(いや、そもそも鳴くのか)、ゴオオという地鳴りのような咆哮は恐怖感を確実に5割増しにしています(小さいお子さんが観たら泣くレベル)。
「放射能X[THEM]」の巨大蟻もそうでしたが、クライマックスがどうしても閉鎖空間(今回はトンネル)になってしまうのが痛し痒し。
やはりビル破壊しながら軍隊と市街戦って構図が観たいのですが、なかなか難しいようです。
レーダーサイトから消えたカマキリを発見するために地上監視隊(The Ground Observer Corps)なる民間有志が登場しますが、これは第二次大戦後から1959年まで実在した組織だそうです。
1957年の作品なので当然モノクロなのですが、画像検索したら着色映像が出てきました。
モノクロだと外骨格がメタリックに映えますが、カラーだと緑の身体が妙に柔らかそうでちょっと嫌。
良かった、モノクロで。