デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

ホラーのルールは誰が為に…。キャビン(イン・ザ・ウッズ)

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「ホラー映画にはルールがある!」

「スクリーム」に登場した映画オタク、ランディの名台詞ですが、では、そのルールを管理・運営しているのは誰でしょう?

こういう“予備知識が邪魔にしかならない”作品のレビューはハードルが高い…。

これで諸手を挙げて大絶賛なら「とにかく観ろ! 騙されたと思って観ろ! 違う意味で“騙された!”って思うから」と強気一辺倒で押しまくれるのですが、正直、世間が騒ぐほどは面白くなかったから余計…。

さて、どうしたものか…。

「キャビン」

(2011年/ドリュー・ゴダード監督)


スポーツマンと尻軽女、学者に愚者、そして処女。5人の若者が森の中の小屋(キャビン)でバカンス。

近くには湖。潰れかけたガソリンスタンドでは不気味な親父が謎の警告。

小屋の地下には秘密の小部屋。不気味な日記にラテン語で書かれた謎の呪文。

激しいデジャブの波状攻撃。

しかし、それらは彼らを見守る謎の組織によって巧妙に誘導された実験イベントでした…。

ってのが導入部。まあ、ここまでは何となく想像の範囲内かと思います。

では、彼ら(組織の方ね)は何のためにそのような手の込んだ事をしているのか。

実験はここ(アメリカ)だけではなく、全世界で行っている模様。

成功とか失敗とか言っている所を見ると、この実験には理想とすべき“行き着く先”があるようです(最も成功率が高いのが日本らしい)。

この“実験の目的”が、観客の想像を超えた稀有壮大なもので、確かに「そりゃあ思いつかなかったわ」な内容なのですが、そんなに誉められたオチでもないような…。

雪だるま式に話が大きくなり、もはやスラップスティック・ホラーと言っていい展開になる後半は賑やかで楽しいですが、同時にお話としては完膚なきまでに破綻しています。

本当に“頭をカラッポ”にできないと疑問が次々湧いてきて、全く話に集中できません。

黒幕さん(名前は言えません)が出てきた時は爆笑しましたが。

「(また)お前かよ!?」(笑)

この人は完全にジャンル映画に於ける自分の立ち位置を確立しましたね。