デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

万人に平等な神の無慈悲。 アフターショック

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製作・原案・脚本・主演:イーライ・ロス

何故、彼がそこまで入れ込んだのかは不明ですが、イーライがそこまで惚れ込んでいるなら、と思って鑑賞。結果は…何か凄~く微妙

震災後の二次災害(主として人的な)がテーマなのですが、肝心の震災が起きるまで34分。これが長い!

特に伏線になるような話はない(せいぜい女のひとりが閉暗所恐怖症だって事くらい)ので、まるっと削ってしまっても大した影響はなかったのではないかと思います。

見どころは万人に分け隔てなく注がれる神の無慈悲。災害後理不尽。

「アフターショック」
(2012年/ニコラス・ロペス監督)


南米チリ。サンチャゴ。アメリカ人観光客グリンゴイーライ・ロス)は、地元のガイド、ポヨとアリエルの案内で観光(とりわけナイト軟派コース)を満喫。

地下のナイトクラブでロシア人美女3人組と知り合えた所で大地震

大恐慌の中、何とか地上に出たら、刑務所崩壊、凶悪犯大脱走で街は無秩序ゾーンに大変身。

日本なら西村寿行の独壇場的シチュエーションですが、場所がチリになっても人間の本質は変わらず。刑務所生活で溜まりに溜まった犯罪者は女を求めて一直線

正直、撮影のスケールはチャチですし、リアリズム的にもどうかと思うシーン満載ですが、大切なのは不幸は万人に平等という神の悪意

善人も悪人も金持ちも貧乏人も男も女もユダヤ人もロシア人も神の使いも無神論者も皆等しく命に値段がつきません。

「うわ、死んじゃうのかよ?!」の波状攻撃。

救いのないポセイドン・アドベンチャーって感じです(多分ポセイドン・リスペクトなんだろうなぁと思えるシーンもあります)。

地球の真裏に行っても津波はやっぱり“TSUNAMI”なんですねえ。

自分たちのエリアに入ったら撃つと言って本当に撃つ疑心暗鬼に駆られたおばちゃんが一番正しいと思います。