デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

文明人は天の恵み。 グリーン・インフェルノ

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キャビン・フィーバー」「ホステル」以降、他人の面倒ばかりで中々メガホンを取ろうとしなかったイーライ・ロスが「ホステル2」以来6年ぶりに監督業に返り咲き。

 

しかも、選んだ題材が食人族

 

理不尽マイスターの審美眼は曇ってはいませんでした。

 

グリーン・インフェルノ
2013年/イーライ・ロス監督)

 

今回の食材は意識高い系大学生。

 

資源を狙った企業の違法伐採でジャングルに住むヤハ族が絶滅の危機に。許さん、ヤハ族を救え! 開拓妨害とその動画のインターネット配信だ!

 

という訳でカリスマイケメンリーダーに焚きつけられた正義感溢るる大学生が南米・ペルーへ。

 

計画は図に当たり、森林伐採も一次中断。投稿動画はヒット数うなぎ登り。

 

意気揚々と現場を引き上げましたが、セスナが突然のエンジントラブル。景気よくキリモミしたセスナはジャングルのド真ん中へ。そしてそこはヤハ族の縄張りでした。


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この飛行機トラブルでパニックになる機内描写が素晴らしい。特に天地逆転状態でリバースしたものが口から頭へ向かって流れていく一瞬を捉えたカットは、その映画的必然性の無さという意味からも本作の白眉シーンのひとつと言えるでしょう。

 

何とか垂直落下は回避。しかし、死神の招待を免れた幸運な人たちには、この後“あの時、事故で死んでいれば良かった”と心底思う展開が待っておりました。


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自分たちが守った(と勝手に思い込んでいる)ヤハ族に喰われる、頼みの綱は自分たちが妨害した森林伐採のブルドーザー。

 

実にブラックじゃありませんか(グロ描写満載ですが、基本的な建付けは“タチの悪い冗談”です)。


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文明人は天の恵。眼と舌は族長の特権。さあ、宴の始まりだ!
 

ただ趣味の悪い画を撮りたいのではなく、きっちりエンタメに昇華されている辺り、流石イーライです(続編の香りを残したラストカットは蛇足だと思いますが…)。

 

「食人族」「カニバル」「裸のジャングル」と合わせてご覧ください。


★ご参考

 
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