デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

総じて“いい感じ”なのに色々と間抜けで惜しい。 バレット

 
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『そのサムライ精神だけは褒めてやる』

『サムライは日本、俺はコリアだ』
 

サムライの起源はコリアだ、とか言わなかったのは褒めてあげますが、シュワは監督が、スライは相棒がコリア…複雑ですねえ。

 

「バレット」(2012年/ウォルター・ヒル監督)

 

猥雑とした街の夜景に被る音楽がもろライ・クーダー風(スコアはスティーヴ・マッツァーロ)。

 

相棒を殺された殺し屋と元相棒を殺された堅物刑事の呉越同舟…というオールド・ファッションな骨子はこの際どうでも良くて…。

 

銃を持つ人間が皆、相手の脳天にバスバス弾丸を叩きこんでいく躊躇無しの小気味良さに痺れましょう(原題:BULLET TO THE HEAD)。

 

スライの若い頃の写真使って主人公の半生(逮捕歴ですが)を振り返るネタも楽しい。


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難点を挙げるなら、

 

相棒になる若手刑事が使えない(致命傷とも言いますが…)。

 

この人、地元警察ではなくワシントンDCから越境で来ているよそ者。市条例を盾に拳銃没収された段階で警察がグルってのは観客全員が分かっている事なのに、律儀に捜査報告入れて居場所も情報も筒抜け。

 

スライの銃にいらん小細工して足引っ張るし。

 

悪玉の不正を記録したデータを入手してパソコンで開いているのに、コピーもとらなきゃ(DCの本部に)送信もしない。馬鹿か。

 

悪玉もスライの娘さらって「データを返せ」って、コピーも送信も疑わないってどんだけ牧歌的なんだよ。

 

こいつの存在を補って余りあるのが、悪玉に雇われた殺し屋キーガンジェイソン・モモア)。

 

フランス外人部隊という設定で殺しが大好き。金になびかず、雇用主に逆ギレするハイスペック・キラー。

 

コナン・ザ・バーバリアン」主役というシュワ継承者でもあります。

 

モモアとスライのアックス・バトルは「ストリート・オブ・ファイヤー」の再現であると同時にシュワ対スライの代理戦争。見応えあります。

 

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ただねえ、悪玉もモモアも本来倒されるべき人じゃない人に殺られちゃってるのが、微妙に溜飲が下がらなくて…。

 

何か手放しで喜べない“微妙な”作品でした。


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