「貴様に問う! 健全とは何ぞや?」
「同じことを何度も言わせるな! 健全な青少年の保護育成を…」
「笑わせるな! 違うとは言わせんぞ。貴様ら、いや貴様とて、エロい行為の産物だという事を! 自分達はエロを謳歌して、歳を重ねたのだろう。だのに若者にはそれを見せず、聞かせず、蚊帳の外か!? 偽善者めが! そこまで言うならエロをせずに子供を作ってみろ! 恋人とエロ抜きで付き合ってみせろ! 所詮、愛などエロの文学的表現に過ぎん! 正しくエロを育む事こそ、愛を育む事に他ならんのだ! よく聞くがいい。真の犯罪者とは、自分を棚に上げて身勝手な倫理を押し付ける貴様らのような不健全な輩の事だ!」
ノリの良さなら誰にも負けぬ二人の舌戦がクライマックスになろうとは。
「健全ロボ ダイミダラー/最終回・決戦!健全ロボ対ダイミダラー」(2014年6月23日深夜BS11放送/吉田俊司演出)
健全な青少年の育成を阻害するとして、自衛隊量産機(ダイミダラー3型)の一斉射撃を受ける美容室プリンス。
「無抵抗の者を問答無用で攻撃するとは。それでも法治国家か!」
「これは健全な社会を守るための超法規的措置である!」
「健全を守るだと…愚か者め!」
二人の口喧嘩の間隙を縫って、ダイミダラー2型、6型を地上射出した三博士。
初の合体攻撃ですが量産機の数が多すぎ。絶望的彼我兵力差をモニター越しに見ていたリッツがとった行動は…。
「孝一と霧子は朕が倒すのよ。他の奴、ましてや人間なんかに…倒されてたまるもんか!」
南極8号の参戦によって形勢逆転。しかし、自衛隊量産機は合体して超巨大健全ロボ“ダイケンゼン”に!
更にエヴォルトしたシルエットはさながらゼノン、いや魔王ダンテ。
主役同士が並び立ち、それまで敵だった者が加勢する。更に相手が反則的パワーアップ…そして暴走。王道とお約束の佃煮です。
最終決戦を前に乳揉む手に力が入る孝一。揉むカットの後に太ももすり合わせるカットを挟むあたり、スタッフの感性の良さが表れています。
その足元では又吉長官と自衛隊司令官の終りなき口喧嘩が…。
後の無い最終回なので、尋常じゃない加速を見せますが、ペンギンになった将馬も人間に戻り(戻したのはNo.6で最後に恭子と再会を果たす)、ペンギン帝王とリッツも過去の出会いと別れを思い出し…と全方位気配り体制な伏線回収はお見事。
この世界での繁殖を断念し、平行世界に戻ることにしたペンギン帝国。
「エロは平和と繁栄のために必要不可欠!」
「うむ。エロは大宇宙の宝!明日への希望だ!」
人はエロ(Hi-ERO粒子)を失うとペンギンになってしまう。つまり、人を人たらしめているのはエロだ、という事です。
最後の最後に物凄い真理に到達してしまいました。奥深きかな健全。