化け鮫…怨霊となって甦った人喰い鮫。水のあるところなら出現場所を選ばない。
テレビの電波に乗って移動する殺人鬼ビンカーが大暴れする「ショッカー」(ウェス・クレイヴン監督)なんて映画がありましたが、これはそれの偏差値貧乏版。
「ゴースト・シャーク」
(2013年/グリフ・ファースト監督)
釣りの獲物を横取りされたことに怒って、鮫に八つ当たりする馬鹿父娘。
いかにもアメリカにいそうな頭の悪そうな父娘がノリノリでマグナム連射、ライフル乱射、銛発射。鮫が口を開ければ激辛香辛料に手榴弾投げ込み。
鮫くんは「辛いよう、痛いよう」と泣きながら近くの祠のような洞窟でご臨終。
しかし、そこは怨みをもって死んだ生き物を怨霊化させるマジック・プレイス。
化け鮫“ゴースト・シャーク”となった鮫くんは、すぐにとって返して馬鹿父娘をガブリ。
この時点で怨みは晴らしたわけですが、激辛香辛料がよほどキツかったのか、見境なしに暴れる大魔鮫となって殺戮続行。
本作の凄い(と言うか馬鹿な)ところは、活動領域を海に限定せず、水さえあればどこにでも移動できるようにした事(さすがゴースト)。
プールが、浴室が、バケツが、紙コップが、もう容積とか体積とか全部無視して阿鼻叫喚の地獄絵図。
ストリート・キッズ(バランスとって白人と黒人ふたり)は同時に上半身喰いちぎられて残った下半身が軽快なステップ。誰に喧嘩売ってるんだ?
と並べるとスゲー面白そうに聞こえるかもしれませんが、全体的にグダグダで映画としては駄目駄目です。
青白く半透明な化け鮫というビジュアルも合成っぽさを助長して迫力無し。
もうちっとサスペンスとして巧い演出をしてくれれば多少は盛り上がったと思うのですが。
しかし、鮫モノってのは変化球が多いな…