車輪の角度を自在に変えることで三次元的な動きを可能にした限りなくロボットに近いコンピュータ制御された人型二輪“RIDEBACK(ライドバック)”。
栄光の座を手放した少女が再び見た光とは。
「RIDEBACK[北米版BD-BOX]」(2009年1月~3月放送/高橋敦史監督)
国連に変わる世界統治機構GGPが絶大な権力を掌握している世界。
尾形琳はバレエ界のサラブレットとして将来を嘱望されていましたが、主演の舞台で靭帯を断絶、バレリーナとしての道を絶たれてしまいます。
大学で偶然ライドバック部の部室に入り、そこにあったFUEGO(フェーゴ)というマシンに試乗。
フェーゴは乗り手を選ぶ“暴れ馬”。しかし、琳は己が手足のように操って…。
というのが序盤。ここから、GGPと敵対するBMA(ブマ)によるテロ活動の現場から友人を救出&脱出した事でテロリストと誤認され、戦禍に巻き込まれていく、といういささか鬱な展開になっていきます。
悪くはないのですが、説得力の無さと爽快感の無さが致命傷。
いくら軍事力を背景にしているからとは言え、国連が別組織にすり替わった程度で世界の趨勢がここまで変わるのか。
GGPはライドバックの投入により圧倒的に不利な戦局を打開したという事になっていますが、バイクに手が生えた程度の乗り物が戦局を左右するほどの発明か。
琳はテロリストとして指名手配され、弟は傷害致死の濡れ衣を着せられ(犯人は警察)、友人は警察に撲殺されるというのはちょっと観ていて辛くなります。
まあ、お話の骨子としては「ダロス」が近いのかもしれませんが、もう少しカタルシスというものがないと…。
個人的に致命傷だったのが、主人公が最後まで戦う意味を見いだせないでいること。
ライドバックでバレエのように舞い踊るだけなら、相手は誰でもいいわけで、GGPの支配とその配下に組み込まれた警察機構へのプロテストが無いと全く主人公に感情移入が出来ません。
結局、体制を打破するのは別の人たちですし。
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