好き放題やって破綻しない…実はかなり稀有な成功例なのではないでしょうか。
「ぱにぽにだっしゅ![北米版DVD-BOX]」
(2005年7-12月/新房昭之監督/シリーズディレクター大沼心)
10歳でMITを卒業し、桃月学園1年C組担任となったちびっこ先生、レベッカ宮本(ベッキー)を中心としたドタバタ学園コメディ…と括ることはできるのですが…。
恐らくこれ以上のストーリー解説は誰にもできないと思います。
二足歩行し人語を解するウサギ(メソウサ)が当たり前のように登場し、自販機の中には化け猫にしか見えない神様がひと肌で缶を温め、謎の宇宙人がベッキーの行動を観察している日常。
常識のネジが緩む、という次元を通り越して、物理法則のタガが弾け飛んでいる生徒たち。
モブは全員同じ顔(もしくは動物または植木)。カメラが引くと教室のセットになる学校(撮影クルーもちゃんといる)。
黒板や壁、張り出された習字など、情報を書き込めるスペースには可能な限り“何か”書き込まねば気が済まない作画スタッフ。
過剰なパロディとリスペクト。映せないものは映せない事を逆手にとったギャグにしてしまうしたたかさ。
キャラはどれも濃すぎるくらい濃いですが、個人的お気に入りは片桐姫子と一条さん。
テンションに反比例して知性が低く(要するに馬鹿)「マホ?」が基礎言語の姫子。
地上の物理法則を無視して常に事態を深刻な方向に転がしていく学級委員の一条さん。
“紙一重”な関係の二人です。
OPは全部で3曲ありますが、私は一番最初に流れた「黄色いバカンス」が好き(特に“♪大波ばんばばんばん”というフレーズ)。
北米版DVD-BOXは全26話を収録した4枚組で2,500円くらい。