原作者がシリーズ構成に係ったら何故か原作ファンからそっぽを向かれたIS2期。
作品は愛されているのに原作者は嫌われているという不思議現象。
ソフト化の際、あたかもOVAを作るかのような謳い文句を付けながら、蓋を開けたら第1話が水増しされただけだった、というのが駄目押し(と言うか火に油)。
1期は“ハードSFにも転べるけど敢えてキャッキャウフフを選んでいる”感じがありましたが、2期はもう“え、イチャラブですけど何か?”な開き直りが。
骨子となるストーリー・ラインがまたいい加減な上にスカスカで(それでも何となくDVDを買ってしまったのはひとえにキャラ立ちの良さ故)。
北米版DVD-BOXは3枚組。国内版も同様だと思いますが、細かい追加カット(ほとんどエロ絡み)が施されています。
この2期の9話と10話の間に位置するエピソードが、
「IS2[ワールド・パージ編]」
(2014年/菊池康仁監督)
(2014年/菊池康仁監督)
無人ISゴーレム3の襲撃を退けたものの、IS学園の専用機は満身創痍。全機メンテナンスを余儀なくされることに。
特に損傷の大きかった「白式」は一夏と共に開発元の倉持技研へ。専用機不在の学園。狙い澄ましたかのようにメインコンピュータがハッキングを受け…。
機能不全に陥ったIS学園を元に戻すため、箒、セシリア、鈴、ラウラ、シャルロットの5人は電脳世界にダイブ(簪はバックアップ、楯無は物理的侵入者排除)。
と、流れだけ追うと攻殻っぽいですが、この設定は一種の“言い訳”。
ハッキング・プログラムは、ダイブした5人を足止めするために、各人の潜在意識下に潜む願望(=欲望)を具現化。
要するに各人が夢見る一夏とのイチャラブな妄想が炸裂するというエロゲ展開です。
確かに地上波放送は無理でしょう(特にセシリアパート)。
となると順番的にも大トリを務めた箒の妄想に期待が膨らみますが、これが唖然とするくらい淡白。エロのエの字もありません。
作り手は鈴に入れ込んでいたようで、彼女だけ設定に無理がありません(中学時代の淡い恋みたいなノリ)。
個人的にはラウラの“裸エプロン”が良い感じでした。
ただ、全体的に端折りすぎな上に全くタメが無いので、深みの無い表層的な描写になっているのが残念無念(出来の悪いダイジェスト版って感じ)。
この爆裂妄想と同時並行で、学園侵入者とのバトルアクションが展開。
ISに生身で立ち向かう千冬の勇士には惚れ惚れしました。
『どうした、かかってこい。お前の目の前にいるのは初代ブリュンヒルデだぞ。全身全霊を以って挑むがいい…ソルジャー!』
まあ、最終的にどこで納得するか、という事になりますが、エロありバトルあり、新キャラ(倉持技研の第二研究所所長・篝火ヒカルノ、束のパートナー・クロエ・クロニクル)投入あり、今後の伏線らしきもの(クロエとラウラが特殊関係姉妹)ありで盛り沢山ではあったと思います。
3期、あるのかなぁ…(やるならシリーズ構成を志茂文彦氏に戻して欲しい)。