ドルフ・ラングレンとヴィニー・ジョーンズ。出来る事なら係わり合いになりたくない顔が並んで降臨。
「アウトレイジ・ギャング」(2013年/ジョルジュ・セラフィーヌ監督)
ドルフ・ラングレンはとある犯罪組織の用心棒。
ボスとその息子たちとは家族同然の付き合いでしたが、ボスが商売を畳もうとした矢先、長男クイン(ビリー・ゼイン)が取引相手に嵌められ逮捕、同時にボスが凶弾に倒れ組織壊滅。
裏で糸を引いた奴は誰だ…。
棚ボタで組織を引き継いだヘイデン(ロバート・ダヴィ)か、ヘイデンが呼び寄せた甥のキャンベル(ヴィニー・ジョーンズ)か、偽造紙幣の洗浄屋ボリスか、組織の後ろ盾となっていた上院議員か。
組織の商売を知ってか知らずかFBIに就職した次男のカート(ジャンニ・カッパルディ)だって怪しいと言えば怪しい。
というミステリー仕立てのアクションもので、ボケーっと観ていると何となく上手くまとまっている気がしなくもないのですが、ちょっと腰を入れて観始めると謎と疑問が累積赤字。
真犯人が分かった上で見返すと完全に自己破産(笑)。
長男クインがFBIに追われている事を同伴したキャンベルからの携帯連絡で知ったヘイデンがドルフを自分の事務所に呼び寄せ。
“何故、ヘイデンは現場ではなく事務所に俺を呼び出したのか”なんてドルフのモノローグが入ったりしますが、その意図は最後まで分からず。
誰もが怪しいと思わせるためのミス・ディレクションが全部投げっ放しなので、“伏線って何?”状態(もうね、考えたら負けって感じ)。
真犯人が分かっても、その計画のウルトラ非効率さと行き当たりばったり加減に「君ら結局何がしたかったんだ?」な思いひとしお。
ドルフも寄る年波かアクション控えめ、濡れ場ゼロ。
ただ、SMチックな売春宿でアマゾネス姉ちゃんとバトルするシーンは良かったです。
ボコボコにされながら必要最小限の反撃でその場を凌ぐジェントルな戦いぶりは好感度大。
ドルフは「エクスペンダブルズ2」と「3」の合間、ヴィニーは「大脱出」同年。“スタローン繋がり”の二人の息抜き作でした。
でもこういう“小粒なのに破綻している”作品って嫌いじゃないんですよね。