
ジョニー大倉さんがお亡くなりになりました。
11月19日。肺癌からの肺炎。62歳。
キャロルに対する想い入れは特に無いので、とりあげようか迷っているうちに日が経ってしまいましたが、フィルモグラフィーを眺めていたらやはり無視はできないよなぁと考え改め…。
ジョニー大倉凄ぇ!と最初に思ったのは、根岸吉太郎監督の「遠雷」(1981)。
人妻と駆け落ちした挙句、後を追ってきた亭主を殺害。その独白の長回し。
ほとんどアングルすら変えないワンシーンワンカット。物凄い緊張感。
続いて、ホテル王の異名を持つ御曹司の妻を誘拐・監禁する孤独な復讐者を演じた曽根中生監督の「悪魔の部屋」(1982)。
にっかつロマンポルノという特殊なフォーマット。場面の大半がホテルという密室。ほぼ全編に渡って中村れい子との二人芝居という演劇空間。
89分というロマンポルノとしては異例の長尺を凌ぎきった存在感。
そして、金子正次の遺稿を映像化した川島透監督の「チンピラ」(1984年)。
いかにも80年代な色合い。柴田恭平との軽妙な掛け合い。本物のやくざになりきれないチンピラの諦観。
どれも“気がつけばドン詰まり”な閉塞感に満ちていました。多分、誰でも出来るという役柄ではなかったと思います。
ジョニー大倉は役者でした。
ご冥福をお祈りいたします。
