
映画のとりわけ素晴らしいところは“好きな場所で終わらせる事が出来る”こと。
実生活にエンドマークはありません。成功の後も失敗の後も人生は続きます。終りがあるとしたら臨終の時だけ。
しかし、映画は任意のシーンで幕を引くことができます。どこで終わらせるかは監督の気持ち次第。
最近は一旦カタがついた後にダラダラと後日談を繋げるパターンが多いですが(こんなものが“余韻”だと思ったら大間違いだ!)、昔は事件解決の瞬間、あるいは事件解決を匂わせる瞬間、更に何も解決していないド真ん中でバッサリ斬ってエンドとする映画が多数ありました。
大晦日にちなんで、「そこで切るか!?」なエンディング作品を並べてみましょう。
※以下、エンディングの話故、オチバレを含みます。
真っ先に思いつくのはやっぱりコレ。

「いい腕だな。名前は?」 「マーフィ」
シナリオではこの後に一命をとりとめたルイス(ナンシー・アレン)の病院シーンがあったようですが、ヴァーホーベンはここをまるっとカット。
「マーフィ」で暗転、ROBOCOPのタイトルをドーンと出してテーマ曲。最高の締めです。
もう1本、ズバ切りエンディングの雄と言えば、「フレンチ・コネクション2」。
ポパイが走って走って走って、それでも追いつけず。シャルニエ(フェルナンド・レイ)は舟で海へ。しかし諦めない。突堤で拳銃を取り出したポパイはシャルニエを照準に納めてシュート。崩れ落ちるシャルニエを一瞬映して暗転。

ポパイはこの後かなり面倒な事になっているはずですが、そんなこと知ったこっちゃないし知りたくも無い。フランケンハイマーの職人技が光ります。
次点として「サブウェイ・パニック」と「戦争のはらわた」。
地下鉄襲撃犯の聞き込みで訪れたとある家。特に疑わしいところも無いので退散しようとした矢先、相手がくしゃみ。
「お大事に」とドアを閉めた後、ぬっと顔を出すウォルター・マッソーのストップ・モーション(犯人のひとりはよくくしゃみをしていた)。

爆撃と銃撃の中、シュタイナー(ジェームズ・コバーン)の高笑いがリフレインする「戦争のはらわた」。
邦画なら(何度もとりあげていますが)やはり「仁義なき戦い」。
葬儀の祭壇に拳銃乱射して「弾はまだ残っとるがよ」とうそぶいて去っていく文太のストップ・モーションに被る“終”の文字。
終わり良ければ全て良し。さて、本年はこれにて幕です。1年間駄文にお付き合い頂きありがとうございました。来年も宜しくお願いいたします。