『抜いたタマをそいつに返して男に戻してやれ。
これが最期のチャンスだ。綺麗に決着をつけよう』
30年待ち続けた決着戦。すれ違ったままの愛と拳と親子の絆。
「リベンジ・マッチ」
(2013年/ピーター・シーガル監督)
原題は「GRUDGE MATCH」。直訳すると“遺恨試合”。
人気も実力も二分したふたりのボクサー。ビリー“ザ・キッド”マクドネン(ロバート・デ・ニーロ)とヘンリー“レーザー”シャープ(シルベスター・スタローン)。
頂上対決は1勝1敗のイーブン。決着戦となる3戦目はレーザーの引退宣言で消滅。そして30年…。
誰もが思い浮かべる“怒れる雄牛VSイタリアの種馬”。
如何にもスタローンが考えそうな企画ですが、実はこれデ・ニーロ企画。
脚本読んだデ・ニーロが「この内容なら相手はスタローンしかいない!」と判断して嫌がるスタローンを口説き落としたんだとか。
何故、レーザーはボクサーとしての最盛期に突然の引退を発表したのか。
30年に及ぶ遺恨の原因を作ったのは当時レーザーの恋人だった女サリー(キム・ベイシンガー)。
ここいら辺の事情と和解がクライマックスに向けたスパイスになっていく訳ですが、(内容的に)駄目な人は駄目かもしれません。
テイストはライト・コメディ。その意味で役得だったのが、マッチメイカー、ダンテ・スレートJr.役のケヴィン・ハートとレーザーの元トレーナー、ルイス“稲妻”コンロン役のアラン・アーキン。
特にシモネタ爆発ジジイのアラン・アーキンは、主役喰いの暴れっぷりを見せて痛快です。
初めのうちは「年寄りの試合なんてお呼びじゃない」という態度だったマスコミも2人のキャラに当てられて次第にヒートアップ。遺恨試合の決着や如何に。
エピローグに顔を出す大物2人はご愛嬌(笑えます)。
因みに30年前のサリーを演じているのはキム・ベイシンガーの愛娘だそうです。
誰か長与と神取で日本版GRUDGE MATCH作ってくれないかなあ…。