「いいからお前らは俺の作ったチャーハン喰ってりゃいいんだよ!」
上海亭の親父の叫びこそ、押井守が言いたかった事のような気がします。
劇場版の公開が近いので、重い腰をあげてみました。
まあ、文句はたぁくさんあります。
千葉さんの舞台芝居満開の演技、良く分からない隊歌(独立愚連隊リスペクト?)、中国寄りな立ち位置、アル中搭乗者と言う常軌を逸した設定、リボルバーキャノンでキノコ雲という悪ふざけにも程がある描写、画が繋がっていない編集などなど。
“押井実写にアタリ無し”のジンクスは今回も健在…ではあるのですが、それでも敢えて「これは…アリ」。
個性的な初代、凡庸な二代目を経て、現在は無能な三代目という設定。
特車二課第一小隊は解体。レイバー操縦技術の継承という名目で第二小隊だけが細々と命を繋いでいます。
ここでオリジナルメンバーのその後が語られますが、押さえておきたいのは後藤隊長が行方不明という事と、南雲隊長が中東の難民キャンプにいるらしいという事。
「二足歩行なんていうファンタジーに入れ込んじまったおかげで、日本のロボット技術はいつのまにか後発の国々の後塵を拝するようになっちまった! 二足歩行ロボットという存在自体が、純粋な工学技術の成果と言うより、ある種の願望やフェティッシュの産物だったんだ!」
「でも、自分は嫌いじゃないすけど…」
「俺だってそうだよ!」
押井の本音か、照れ隠しか。
ちょっと長めのアバンという体で第1話へ。
“アリ”としたのは、発進のシークエンスを「これでもか!」と見せてくれた事。
そして出動現場に水道橋重工のKURATASがいた事。
彼らが開発したのが、人間が搭乗して操縦可能な巨大ロボット「クラタス」。
モビルスーツです。アーマード・トゥルーパーです。
お値段、1億2,000万円(両腕無しのスターターキット)。
TVシリーズの最後に毎回表示された「この物語はフィクションである…が、10年後には定かではない」のテロップを思い出します。
予定よりちぃっと時間がかかりましたが、ようやく現実が追い付いてきたようです。