「そんな上っ面の関係で楽しくやろうって方がおかしい」
「俺はこれが上っ面だなんて思ってない。今の俺にとってはこの環境が全てだよ」
「いや上っ面だろ。じゃ戸部はどうなる?」
人間関係を一歩進めたい男と今の皆との距離感を維持したい女とその仲間。
「戸部には結論を急いで欲しくなかったんだ」
「勝手な言い分だな。それはお前の都合でしかない」
断罪。それでも比企谷は葉山の意向を汲む行動に出る。それは多分、比企谷自身も“奉仕部”という“上っ面”の関係を心地良いと思い始めているから。
クラスメイト海老名姫菜に告白したい(から協力してくれ)と奉仕部に頼み込んできた戸部翔。
修学旅行先の京都を告白場所としたものの、付き添い役だった葉山は非協力的。
不穏な雲気を読み取る三浦優美子。
「あーしさあ、今結構楽しいんだ。だから余計な事しないでくれる?」
仲間を応援したい。でも今の関係が壊れるのも嫌だ。
“まず間違いなく戸部はふられる。戸部自身には多少の覚悟はあるだろう。
だが他は? 彼らの関係を大事に思っているのは戸部だけではない。
三者の願いはひとつだ。
戸部をふられないようにし、かつ彼らのグループの関係性を保ち、
海老名さんとも仲良いままにしておく。
ならやっぱ方法はひとつしかねえじゃねえか”
比企谷の行動の真意を瞬時に悟る海老名。互いにアドリブ。見事な腹芸。しかし…。
「すまない。君はそういうやり方しか知らないんだと分かっていたのに…」
「あなたのやり方、嫌いだわ
うまく説明できなくてとてももどかしいんだけど…
あなたのそのやり方、とても嫌い」
「これでまた明日からいつも通り。変わらないで済むのかもしれない。
けど…けどさ…
人の気持ち、もっと考えてよ!
なんで色んな事が分かるのにそれが分からないの!
ああゆうの…やだ」
2話にして神回かと思いました。比企谷八幡、正にダーク・ヒーローです。
京都駅での比企谷と海老名の会話と独白も表層と真意が糾えて味わい深い。
やはりこのシリーズは間違っていない。
最後に重たい話を和ませる妹・戸塚・材木座、癒しの三連弾をどうぞ。
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