『ふ~ん、そっか。隼人も期待してたんだね』
『何を?』
『見つけてくれることを、かな』
原作10巻100頁から終りまで約240頁分を一気にやっつけてしまいました。なんと言う力技。ウルトラダイジェストですが、必要最低限のところはちゃんと拾っているので、お話はちゃんと繋がっています。恐るべしアニメスタッフ。
「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続/第11話・いつでも、葉山隼人は期待に応えている。」(2015年6月12日深夜TBS放送/岩崎光洋演出)
今回の主役は葉山隼人。
知力・体力・財力・容姿・人望…全てを兼ね備えた“常に周りの期待に応える男”葉山。
3年進級を前に決めねばならぬ文理の進路。自らの選択を頑なに黙秘する葉山。少しでもいいから葉山と同じ世界にいたいと願う三浦優美子。
葉山は文理どちらを選ぶのか知りたい。それが優美子から奉仕部への依頼。
引き受けはしたものの、葉山のガードは固く(葉山の父は雪ノ下家の顧問弁護士で母は医者。家の都合と本人の能力どちらの面からも消去法が使えず)類推も不能。
最後のチャンスが学校行事であるマラソン大会。
マラソン大会に関する台詞上の前振りは皆無で、一瞬、校内に貼られたポスターが映るだけという瞬きも許さない鬼演出。
ただ、このポスターに書かれた大会キャッチコピー『気にするな、お前が弱いんじゃない、俺が強すぎるんだ』『抜かれなければどうということはない』は秀逸でした。
戸塚率いるテニス部に1位グループのジャマーを頼んで葉山と並び、折り返し地点を機に揺さぶりをかける比企谷。
『三浦は女避けには都合が良かったか?』
足を止め対峙する二人。
『俺は君が嫌いだ。君に劣っていると感じる。そのことがたまらなく嫌だ』
多くの友人に囲まれながら、葉山が本音を吐露できる相手は比企谷だけなのかもしれません。
大会終了後の打ち上げで比企谷も葉山に『俺もお前が嫌いだよ』。
海老名さんが聞いたらフラグが立ったと鼻血噴出請け合いですが、これは『お前に期待を押し付けない奴もいる』という事を葉山に伝えるための冷たい無関心(=優しさ)。
比企谷×葉山も気になりますが、本命・比企谷×雪ノ下の展開が(表層とは裏腹に)ものすごーく不安。
『近しい人が分かっていてくれるならそれでいい』とデレまくる雪ノ下。マラソン大会でコケて怪我した比企谷を手当てする二人のシルエットは王道ラブコメ…ではありますが。
葉山の『やっぱり彼女は変わったな。もう陽乃さんの影は追っていないように見える。けどそれだけのことでしかない』という台詞。
そして(アニメではカットされましたが)陽乃さんの『そう、あれ(雪乃の比企谷に対する感情)は信頼とかじゃないの。…もっとひどい何か』
それは多分“依存”。
残すところあと2話。しかし原作は完全消化。最新11巻発売は6月24日。
アニオリか、はたまた最新刊前倒しか。果たして。